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06月20日-04号

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  1. 高知市議会 2019-06-20
    06月20日-04号


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    令和 元年第470回 6月定例会 第470回高知市議会定例会会議録第4号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第4号 令和元年6月20日(木曜日)午前10時開議第1 市第65号 令和元年度高知市一般会計補正予算 市第66号 高知市森林環境整備基金条例制定議案 市第67号 高知市税条例等の一部を改正する条例議案 市第68号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 市第69号 高知市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第70号 高知市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第71号 高知市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第72号 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 市第73号 令和元年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算についての市長専決処分の承認議案 市第74号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第75号 高知市税条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第76号 指定管理者の指定についての市長専決処分の承認議案 市第77号 土地取得議案 市第78号 不動産取得議案 市第79号 高知市デジタル固定系防災行政無線整備工事請負契約締結議案 市第80号 潮江市民図書館耐震補強及び大規模改修工事請負契約締結議案 市第81号 東部環境センター長寿命化整備工事請負契約締結議案 市第82号 救助工作車Ⅱ型購入契約締結議案 市第83号 13メートルブーム付多目的消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第84号 訴訟の提起について 市第85号 調停の申立てについて  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第65号議案から市第85号議案まで  ────────────────  出席議員1番 島崎 保臣君  2番 甲木 良作君3番 木村  亘君  4番 細木  良君5番 浜口佳寿子君  6番 神岡 俊輔君7番 岡崎 邦子君  8番 迫  哲郎君9番 はた  愛君  10番 深瀬 裕彦君11番 長尾 和明君  12番 田鍋  剛君13番 下本 文雄君  14番 下元 博司君15番 岡崎  豊君  16番 近藤  強君17番 戸田 二郎君  18番 横山 公大君19番 高橋 裕忠君  20番 海治甲太郎君21番 吉永 哲也君  22番 清水おさむ君23番 大久保尊司君  24番 伊藤 弘幸君25番 氏原 嗣志君  26番 平田 文彦君27番 和田 勝美君  28番 西森 美和君29番 寺内 憲資君  30番 川村 貞夫君31番 竹村 邦夫君  32番 福島  明君33番 山根 堂宏君  34番 高木  妙君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     吉岡  章君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    大野 正貴君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  谷脇 禎哉君      健康福祉部長  村岡  晃君      こども未来部長 山川 瑞代君      環境部長    宮村 一郎君      商工観光部長  森田 洋介君      農林水産部長  高橋 尚裕君      都市建設部長  林 日出夫君      教育長     山本 正篤君      上下水道事業管理者              山本三四年君      防災対策部長  松村 和明君      消防局長    本山 和平君      監査委員    藤原  敏君      選挙管理委員会委員長              稲田 良吉君      財政課長    澤村 素志君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   池畠 正敏君      事務局参事   山崎 敬造君      庶務課長補佐  谷村 守敏君      議事調査課長補佐広松 康児君      議事調査課法務担当管理主幹              竹村 博和君      議事調査課管理主幹              中須賀広典君      秘書係長    西  理恵君      調査係長    田村 章代君      議会庶務担当調整官              松下 智子君      書記      川村 浩之君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(田鍋剛君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第65号議案から市第85号議案まで ○議長(田鍋剛君) 日程第1,市第65号議案から市第85号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 岡崎豊議員。  〔岡崎豊君登壇〕 ◆(岡崎豊君) おはようございます。市民クラブの岡崎豊です。第470回高知市議会定例会におきまして個人質問を行います。 質問の前に,先日,新潟県で発生しました地震,これにて被災されました皆様方に心からお見舞い申し上げます。 また,避難行動,そして地震防災関連施設,現地でどうであったかということも含めた検証のほうも,ぜひお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。 また,質問の前に,会派のことに少し触れておきたいと思います。 改選後,甲木議員,木村議員,神岡議員,この3名の議員が市民クラブに加わりました。この3名の方の個人質問をお聞きになってわかりますように,それぞれが明確な目的や個性,そして使命感を持って取り組んでおりました。 この3名の新人議員が加わったことで,市民クラブは数の上で最大会派になっただけでなく,一層厚みのある布陣となりました。市民クラブは市民の皆様の幸せと市勢の発展のため,政策や議案に対しまして真摯に臨み,市民の皆様方の負託に応えていきたいと思っております。 それでは,個人質問のほうに入ります。 まず,市長の政治姿勢につきましては,先日の個人質問でも取り上げられ,重複する部分もありますが,新図書館横西敷地につきまして,お聞きをいたします。 新年度となり新図書館横西敷地の利活用事業についての今後の方針が示されました。資料に記載されているこれまでの経過を見ると,平成29年7月に基本方針を策定した後,慌ただしいスケジュールで進められていたことが改めてわかります。 また,平成30年1月に優先交渉権者が決まった翌月の2月に,この件に関する妥当性検討委員会が設置され,事業者側と申請書の内容について協議を行い,結果が出たのは6カ月後の30年7月でした。 資料では,事業者の再公募を決定した理由を,あたかも選定過程を非公開としたことのみが反対の理由であるかのように記載をされておりました。 市民の皆さんも含めて,反対の理由は優先交渉権者の決定に至る経過が公正・公平性に欠けていただけでなく,不透明であったこと,そして西敷地の利活用に関して,市長のまちづくりの考え方に反対をしているということを申し添えておきます。 まず,今後の事業予定に関してお聞きをいたします。 まず,各種団体の説明と意見交換についてです。 説明文では,市民,事業者の両方の立場から御意見をいただくとしています。しかし,予定をしている団体として,商店街関係団体町内会関係団体等とあるのみで,市民及び市民団体が含まれておりません。この事業には賛成と反対があるのは周知の事実です。公平性,そして透明性を確保するためにも,当然市民及び市民団体の意見が聴取されなければなりません。 この点につきまして,市長のお考えをお伺いします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。 本事業につきましては,今後中心商店街や,また町内会連合会などの各種団体の方々との意見交換会を行うということで日程調整をしておりますが,それぞれ御参加をいただく皆様には,市民の立場として,また事業を営まれている方には市民と事業者,それぞれの立場で御意見をいただくこととしております。 町内会連合会につきましては,市民団体である各町内会の代表である町内会長の皆様等で組織されておりますので,町内会連合会との意見交換は市民の皆様の生の御意見をいただける機会でもあると考えておりますので,さまざまな角度からいただきました御意見を,今後の事業の検討の中で生かしてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 先日の島崎議員のときと同じ答弁なんですけれど,ちょっとお伺いしていいですか。 今,それぞれの団体の方々の立場と市民の両方の立場というふうに市長はおっしゃったんですけれど,それならば団体として呼ぶ必要がないのではないでしょうかね。 1点,ちょっとこの件に関してお聞きをします。 商店街関係の団体の皆さん,また町内会連合会と今おっしゃいましたけれど,その代表として会に臨まれる方は,団体の意見の集約としてこの会に臨まれるんでしょうか,それともあくまで個人として会に臨まれるんでしょうか,その点どういうふうにお考えか,1点お伺いします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 両団体とも,例えば組織として意見集約をしているものではございませんので,個々の来られた,例えば中心商店街のそれぞれの組合を構成する方々,また町内会連合会もこの件に関して町内会連合会として意思統一をされているわけではございませんので,それぞれの立場で御発言があるという認識でございますので,団体として意思集約された御意見を聞くということではないです。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) かみ合わない部分なんですけれども,1点,意見,要望として申し上げておきます。 やはりそういうのであれば,町内会あるいは商店街の方々の意見を聞くのであれば,公平性,また公平性を担保するためにも,市民の皆さんの意見,これを直接に聞くべきであるということを重ねて申し上げておきたいと思います。 次に,今後の方向性の検討では,米印をつけまして,基本方針の改定についても必要であれば検討としています。これに関して,もし基本方針を改定する項目に定期借地権の種類を変えようとする場合,この場合を確認しておきたいと思います。 この件につきましては,地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件を定める条例(平成23年条例第29号)の規定によりまして,定期借地権については一般定期借地権及び事業用定期借地権を区別することなく,議会の議決に付すべき事件となります。 この点につきまして,市長に確認をいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 定期借地権につきましては,議員立法で指定をされたということですけれども,平成24年11月30日に国から認定を受けております高知市中心市街地活性化基本計画のこの計画の区域内のエリアにおいて,市有地に対して定期借地権を設定する場合には,一般定期借地権または事業用定期借地権の別を問わず,議会の議決すべき事件として指定されましたので,双方とも議決の対象になるということです。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 共通認識がこの点はできたと思います。これにつきましては,議会としても真摯に議論を続けてまいりたいと思います。 次に,当面の西敷地の利用方法につきましてお聞きをします。 西敷地は,公有財産の有効利用を目的として貸し付けが始まったとのことです。現在,周囲をロープで囲み,かたくなに市民を寄せつけない雰囲気,敷き詰められた白い砕石は,私は荒涼とした雰囲気さえ感じます。 間もなく始まるよさこい祭りの練習場として活用するという案もあるようにお聞きをいたしました。 これを機会に地面を整地して,子供たちも自由に遊べ,市民の皆さんが集い,くつろげる自由な空間,憩いの広場として利用するべきだと考えます。市長のお考えをお伺いします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) まず,この広場ですけれども,周辺に飲食店が相当ありますので,一定の規制は必要だと考えております。 近年よさこい祭りへの参加チームの増加等によりまして,各チームの練習会場の確保が困難な状況となっており,中心市街地におきましても,中央公園や丸ノ内緑地などを練習会場として利用しておりますけれども,十分な状況ではないことから,よさこい祭り参加チームの練習場として,現状の砂利敷きで,整地をされていない現状でも特に問題がないチームには,無料で開放することを予定しております。 西敷地の貸し付けにつきましては,西敷地利活用事業の着手までの一定期間を想定しておりますので,新たな投資は困難であると考えておりますので,御理解をお願い申し上げたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員
    ◆(岡崎豊君) 先ほど言いましたように,きょうも議会が始まる前に,もう一度,図書館横の西敷地を見てまいりました。非常に,個人的な意見ですけれども,冷たいような,拒否するような,そんな雰囲気を私は受けてきました。ぜひとも市民に開かれた広場として利用していただくように,重ねてお願いをします。 次に,ひきこもり対策につきまして何点かお聞きをします。 本年5月28日,川崎市多摩区でスクールバスを待っていた小学生の列に突然男が襲いかかり,小学校の6年生の女の子と保護者が死亡,小学生ら多数が重軽傷を負いました。 犯人の男は犯行現場から立ち去りましたが,刃物で自分の首を刺し,その後,死亡しました。 報道されている内容からこの事件の内容を整理すると,容疑者は長期間職につかずに,ひきこもり状態で,高齢のおじ夫婦の支援で生活をしていたこと,行政はおじから相談を受けていたが,内容は介護が中心で,容疑者本人への面談や支援は行われなかったとのことです。 容疑者の場合は,同居相手は親ではありませんでしたが,ひきこもりの50代が80代の高齢者の収入で生活をしていました。 また,社会との接点もなく,ひきこもりは長期間にわたっていました。つまり,深刻な社会問題と呼ばれている8050問題に該当をするものです。この8050問題の実態を正確につかむこと,そして家族の問題という私的領域から,一日でも早く公的な課題に引き上げていく,そういう議論が求められているという視点で質問を行います。 今回の事件後に,KHJ全国ひきこもり家族会連合会は,川崎市殺傷事件についての声明文を出しています。 その声明文の中で,行政機関に相談し,助けを求めるなど,切実さを鮮明にしていたが,事件を防ぐことはできなかったと分析しています。 そして,そのことが家族や本人の受け皿が十分でなく,あるいは困難な状況で放置され,切実な支援につながりにくい実態を示している。社会的に孤立せざるを得ない高齢家族,つまり8050問題の深刻さを反映した事件と言えると結論づけています。 相談窓口や機能として,県にはひきこもり地域支援センターがあります。また,高知市には自立相談支援事業として高知市生活支援相談センターが開所されています。それぞれ基本的に相談者からの電話連絡や来所での利用が前提とうたって運営をされています。 それぞれの窓口に相談があった場合,細かな連携での支援や継続的な支援も求められると思いますが,これまでの主な内容や運営上の課題につきまして,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) それぞれの関係部署での対応を申し上げますと,健康増進課では,精神保健福祉相談窓口での相談から判明することもあり,必要に応じて嘱託医につなぐなどの支援のほか,高知市生活支援相談センターでの相談や高齢者支援課での8050問題など,虐待と思われる事例の中で判明するものも多く,それぞれ相談の中で把握をされました場合は,各制度や施策の中で,また複数の関係機関との連携により支援メニューにつなげているところでございます。 また,生活保護では,生活保護受給者の世帯のうち,高齢者や不登校児など多世代にわたってひきこもり状態の方々が存在をしており,関係機関と連携をしながら対応しているところです。 不登校児の場合は,将来的なひきこもりリスクも極めて高いことから,ケースワーカーを中心に就学促進員による支援と学校関係者,子ども家庭支援センター,児童相談所,また教育研究所など,カンファレンスを行い,子供の自立や親の支援に向けた最善の方法,その役割分担を個別に協議をしております。 これまでの相談の中で把握をされた課題としては,ひきこもりの実態把握から支援につなげるまでに,大きく2つの壁があると捉えております。 具体的には,1つには,例えば8050問題で,地域住民や最初につながった相談支援機関が,該当者が外に出かけていることができていればひきこもりではないだろうというふうに認識をして,対象者がどこかの窓口にたどり着いたとしても,結果的にひきこもりの解決に至る適切な支援につながっていないという課題もあります。 2つ目としては,例えばひきこもりの原因となる不登校や失職,失業に対する自己責任に起因をした罪悪感,またその家族が世間体などを気にして他者に事実を開示できない,また自身も受容できないことによりまして,そのことによって日常生活に影響が出てこないと相談には来ないといった,相談に来たときには問題が深刻化をするケースも多くあります。 また,つながった後も支援機関との関係性が一定確立をされ,支援できる状態となっても,継続的,伴走的なかかわりを長期間必要とする,一旦解決をしたとしても,また元の状態に戻るなど,支援には大きな課題があるというふうに認識をしております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。継続的な支援をお願いしたいと思います。 8050問題の一般的な認識や問題点の特徴的なことを確認いたしますと,ひきこもりの状態が長期化し,定職もなく,80代の親の年金で生活を支えているという問題があります。 我が子で社会的に孤立し,生活が立ち行かなくなるという深刻なケースが目立ち始めています。 また,ことし1月に札幌市では,アパートの一室で82歳の母親と52歳の娘の遺体が発見されました。死後数週間がたっていたようです。 警察によりますと,2人の死因は栄養失調による衰弱死とのことで,先に母親が亡くなり,娘さんがしばらく後に死亡していたとのことです。 別の事例を紹介します。 40代の父親がひきこもりとなり,原因は定かではありませんが,学齢期のお子さんが不登校になったという家庭もあるようです。このようにひきこもりの状態は多様となっています。 まず,本市の中高年のひきこもりの状況をどのように把握しているのか,この点につきまして健康福祉部長にお聞きをします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 先ほどお答えしましたように,健康福祉部内の複数の部署では,相談内容から明らかにひきこもりであるものや,別の課題から支援に入った際に,結果的に把握できるものがあります。 地域や社会との関係性が希薄で把握されにくいことや,当事者や家族の受容の有無により潜在化,深刻化しているものも含めまして,これまでの相談状況から勘案しても,高知市の中でも相当数のひきこもりの状態が存在をしているのではないかと考えております。 ひきこもりはさまざまな理由で表面化しにくいことから,各制度の導入場面などにおいて,例えば家庭訪問を行う場合や関係機関で情報共有する場合には,各所属の担当者がひきこもりに対する共通認識を持ち,ささいな事実や言動も見逃さないこととし,またその課題を捉えた場合には,関係機関等でそれぞれの情報を改めて共有,交換することで課題整理をして,支援策の見直しや新たな支援方法を検討する必要があるのではないかと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ひきこもりの専門的な支援の窓口として,高知県ひきこもり地域支援センターがあります。 このセンターのフォロー体制としては,関係機関への紹介等を行うものの,センター独自の訪問活動は原則として行っていないとのことです。 本市へ紹介があった場合,生活支援センターや健康増進課で対応,また必要に応じて教育研究所なども対応しているとお聞きをしています。 それぞれの立場で真摯な,そして丁寧な対応をされていると思いますが,これらをコーディネートする機能がなく,残念ながら総合的な支援となっていないように感じるところがあります。 岡山県総社市では,全国屈指の福祉先駆都市を目指すということを目標とした第2次総社市総合計画を進めているとのことです。その中で,地域福祉の最後の課題と言われるひきこもり支援が総社市に残された最後の課題であるとして,一般の市町村では全国初となるひきこもり支援センター通称ワンタッチを開設しています。 本市の場合は一足飛びにひきこもり支援センター設置には至りませんが,総社市の取り組みを参考にして,ひきこもりの問題に取り組む必要があると思いますが,この点につきまして,市長の御所見をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 総社市の市長とは大学が同窓ということもありまして,年に何回か意見交換をしております。 総社市では,ひきこもりを本人や家族だけの自己責任とはせず,社会全体の課題として位置づけまして,当事者やその家族が抱える不安,悩みに寄り添った取り組みを進めるため,先ほど御紹介がありました,平成29年4月にひきこもり支援センターワンタッチを開設し,このセンターでは社会福祉士や臨床心理士の専門職員を配置して相談支援に当たるなど,全国的に見まして先進的な取り組みとして注目をされておられます。 政府におきましても,SDGs,このSDGsの一番大切なところは,誰ひとり取り残さないというのが共通のテーマでございますので,このことが非常に重要になると考えております。 ひきこもり支援センターワンタッチでは,相談支援にあわせまして,ひきこもりの問題を理解し,支援活動を行うひきこもりサポーターの養成,また当事者や御家族が気軽に立ち寄れる居場所の設置,ひきこもりに関する市民への周知,啓発の取り組みなど,これから本市がひきこもり対策を進める上で,非常に参考になる設置であると考えております。 総社市の取り組みの特徴として,これらの先進的な施策であるとともに,当事者と人と地域,社会,仕事などとのつながりを重視し,当事者の力を引き出すエンパワーメントという言葉が使われるようになりましたが,当事者本人の力を引き出すことなどの支援を行い,さまざまな関係機関が連携をして支援を行っていく手法が実施をされております。 高知市におきましては,第2期の地域福祉活動推進計画におきまして,全ての人が安心して暮らせる地域共生社会の実現に向けた取り組みの中で,地域の見守り,支え合い,そして関係機関によるつながりのある包括的な相談支援体制を構築し,各相談窓口では断らない相談支援を行っていく,この方向性を定めておりますので,こういうものに共通する取り組みであると考えております。 高知市におきましては,ひきこもり支援センターの設置について,現時点で直ちにということは考えておりませんが,ひきこもり支援に当たって必要となります,やいろ鳥の会などを初めとするさまざまな相談支援機関連携ネットワーク体制の構築,また支援のノウハウの醸成と共有,解決に向けた課題の共有を関係機関と図りながら,先進自治体の取り組みや支援にかかわります各NPO団体の関係者との意見交換も踏まえまして,ひきこもりの方々を支援する体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひとも地域ぐるみ,重層的な連携をもちまして支援を行うことをお願いしたいと思います。 就職や就労での失敗やつまずき,いじめや人間関係の行き詰まりなどでひきこもりとなった人は,自尊感情や自己肯定感が著しく低くなっているという傾向があります。 ある例では,床に空き缶やごみが散らかった部屋で生活している人がいます。部屋にごみがあることで,こんなひきこもりの状態の自分を罰している気がして安心ができますという人もいるようです。 高知市の家族の会からお話を聞く機会がありました。ひきこもりとなっている人は,いろんな原因があり,心に傷を負っている人,自分を責めている人,また人に対して恐怖心を持っている人が多くいるそうです。 そのため,支援のポイントとして,心の傷のケアの方法としては,心と心の寄り添いを焦ることなく,何年でも継続することだそうです。そして,心に見えない傷があるからこそ,ひきこもり体験のある人がサポートする仕組みが非常に有効だということでした。 先ほど御紹介がありましたひきこもり家族連合会高知支部やいろ鳥の会は,居場所といろの運営をしています。 そのスタッフの方は,社会参加をして人間関係を持つ中で,与えられたヒントに肉づけをしていって立ち直っていく。私もひきこもり支援を受けて,周りの人々とつながることを通じて,時間をかけて心の中を整理したからこそ,今こうして,といろのスタッフとして働くことができているというふうなことを語っていました。 支援の第一歩として,ひきこもり経験者をスタッフとして,ピアサポーターとして養成し,複数のひきこもりの人とつながる,そしてそのピアサポーターの相談役としてスーパーバイズする人と組み合わせて支援を行う体制が,制度のはざまとなっているひきこもり支援に必要との声もあります。 居場所の運営を含めて,この制度設計が急がれますが,この点につきまして,市長のお考えをお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 御質問のやいろ鳥の会につきましては,私の友人がやっておりますので,さまざまな御意見を聞くときがあります。 御質問のやいろ鳥の会といろの活動のように,ひきこもりを経験した方にピアサポーターとなっていただき,当事者や御家族とそれぞれの悩みや不安を共有し合う関係性を構築しながら,息の長い支援を行っていくことが,当事者の方々や御家族にとって大変有効な支援策になると考えております。 お一人で悩んでおられたり,家族だけで悩んでおられたりするケースが非常に多いので,やはり集まって相談できる場ということが非常に重要になると考えます。 ヒントは本に書いてあるが1人で考えるだけでは難しい,人とつながる中でこれらのヒントに肉づけをして立ち直れたというひきこもりの方の当事者の方の話が地元新聞にも報道されていましたが,まずは人とつながる場所,そういうものの設置,きっかけとして大切であり,ピアサポーターはこれらの中で大きな力になると考えます。 NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会及び同高知県支部でありますやいろ鳥の会からは,ひきこもり支援関係機関のネットワークの構築や断らない相談支援,継続的な支援の体制づくり,訪問支援施策の充実やひきこもり支援拠点づくりなどについて御要望をいただいております。 高知市におけるひきこもり支援のノウハウは,まだ十分とは言えない状況でありますので,やいろ鳥の会などの御意見もお伺いしながら,支援体制のさらなる構築を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございます。 ただ,1点,要望なんですけれども,いろんな形の連携を含めた支援体制ということをたびたびおっしゃいますけれども,やはりピアサポーターになる方の養成とあわせまして,ピアサポーターとして活動ができるという雇用につながるという,そういう財政的な支援,こちらも必要だと思います。ぜひともあわせて検討していただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 この川崎市の事件が起こってから,ひきこもりに対する当事者の家族に対して,偏見や厳しい視線が向けられることを危惧するものです。 また,当事者やその御家族が不安に駆られたり,負い目を感じたりして社会から孤立して,ますます支援が求めにくくになるという負の連鎖が進むことも心配します。 その理由の一つに,ひきこもりの実態がわからないというようなことがあると思います。 内閣府は昨年,中高年,40歳から64歳のひきこもり実態調査を初めて行いました。ことしの3月に公表された結果によりますと,定職がなく,ほとんど外出しないひきこもり状態の中高年の数は,全国に推計61万3,000人であり,その約半数が5年以上の長期にわたっているという衝撃的な内容でした。 この数字は,別の調査で推計されている15歳から39歳のひきこもりの約54万人を大きく上回っている内容でした。 しかしながら,非常に少ないサンプル数から求めた推計値だということはちょっと気にかかるところではあります。 高知県ひきこもり支援センターでも実態の数の調査はしておらず,ひきこもりの人数は内閣府の推計値で換算するということで,実態はわかっておりません。 ひきこもりの当事者とその家族の問題,そして8050問題の解消,さらに家族の問題という私的領域から一日でも早く公的な課題に引き上げていくという論議を進めるためにも,この8050問題等の実態を正確につかむことが必要です。 そのためにも訪問を行うなどのきめ細かな実態調査を求める声も上がっておりますが,この実態調査につきまして,市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 内閣府が実施しました,先ほどの中高年,40歳から64歳におけます報告ですけれども,推計値ですけれども,61万人ということになっております。 この下に若い方々の,これも推計値ですけれども54万人というふうに呼ばれていますので,合わせますと約100万人ということで,相当の人数に及んでいるということを改めて思うところでございます。 訪問調査の関係ですけれども,例えば訪問等による調査の必要性ということについては一定認識をいたしますが,難しいのは,一方でこれらの当事者の方は地域や社会との関係性が希薄な状況にありますので,対人関係の不安,また自己表現の困難さ,自己喪失感などを抱いているケースも少なくありません。 御家族自体にとりましても,非常にデリケートな問題でありますので,外部には知られたくないという意識も強く働くため,実態が明らかになりにくい現状があると考えます。 仮に,もし訪問調査を実施する場合には,やはり専門知識を持った方が行く必要がありますので,専門職等が直接家庭訪問をし,聞き取ります地区踏査,踏み込むの踏査と書きますが,地区踏査の手法が有効であると考えますが,課題としましてひきこもりに関する専門的な知識やノウハウがないこと。 2点目としてひきこもりや長期間社会的な孤立をすることによりまして外部との接触を拒否,または否定することが少なからずあること。 市内全域を実施する場合には,その実施体制の構築など,費用面も含めまして難しい点がございます。 高知市では,住民の方々が身近な近くの圏域の中で生活の中での困り事を一元的に相談できる窓口の設置に向けて取り組みを進めております。すぐにはいかないと思いますが,将来的には全ての小学校区に1カ所ずつ置きたいということが,我々の目的ということになっております。 そうした地域の支援ネットワークを形成していく中で,ひきこもりの課題を抱え,悩み,苦しんでおられる方々に対して,誰かと相談したいと思われたときに,圏域の近くの中で気軽に相談ができ,またそのことによって専門機関による支援に確実につなげていく仕組みを構築していくことが重要であると考えております。 それぞれの地域におけます身近な場でネットワークのアンテナや相談のチャンネルをさらにふやしながら,ひきこもり事例を把握する場合には,御近所からの声がけ,何か困っていませんかという声がけも含めて,支援につなげていく体制をさらに充実していくことが重要だと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 方法としてはごもっともなところですけれども,生活の中の実態を把握するということから支援の具体的な方策が決まるという面もありますので,この点につきましては,ぜひやいろ鳥の会の方々と意見交換をして,有効な方法を探っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それでは次に,成年後見制度につきましてお伺いをいたします。 成年後見制度は,平成12年,障害のある方も家庭や地域で暮らせる社会にしようというノーマライゼーション,本人の残存能力の活用,自己決定の尊重の理念のもと,本人財産と権利を守るため,介護保険制度とともにスタートいたしました。 高知市は社会福祉協議会に高知市成年後見サポートセンターを平成24年4月に開設をいたしております。以来,昨年度末まで毎年500件前後の初期相談があり,累計では3,346件の相談が寄せられております。同センターでは,成年後見制度の説明や制度利用のための具体的な手続,方法等の相談を受けています。 例えば,契約や財産管理等が自身で難しくなり心配,成年後見制度を利用したいがどうしたらよいかわからないなどの相談への助言や情報提供を行っています。 また,成年後見制度利用促進を目的に,成年後見セミナーを開催もいたしております。 また,これとは別に,市民後見人養成セミナーも開催し,後見人の担い手として期待される市民後見人の養成を弁護士,司法書士,社会福祉士,行政機関など関連機関と連携しながら行っております。 平成28年4月に成年後見制度利用促進法が成立をいたしました。この法律は,成年後見制度を共生社会の実現に資する重要な手段とした上で,その利用促進に関する施策を総合的に策定し,これを実施することを国の責務とし,その地域の特性に応じた施策を実施することを地方公共団体の責務といたしました。 この法律に基づき作成されたのが成年後見制度利用促進計画です。この計画の対象期間は,平成29年度から令和3年度までのおおむね5年間としています。そして,地方公共団体等は工程表を踏まえた各施策の段階的,計画的な推進に取り組むこととされており,市町村は国の計画を勘案して,市町村計画の策定を義務づけられております。 そして,今後の施策の目標として3項目を挙げています。 1,利用者がメリットを実感できる制度,運用へ改善を進める。 2,権利擁護の地域連携ネットワークの構築を図る。 3,権利制限に係る措置,欠格条項を見直す。以上の3項目です。 これから超高齢社会を迎えることになります。そのためにも,地域の人々がともに支え合い,安心して暮らすことのできる地域社会を構築すること,そして人々の間に新たな支え合いの文化をつくり出すために,コミュニティの中で意思決定ができる仕組みが必要となります。 その可能性を持つのが市民後見であり,それをコミュニティ後見と位置づけることにより,新たな共生社会を生み出すことが期待をされます。 地域ネットワークでの中核機関の位置づけや役割を明確にした上で,ネットワークの役割や機能,そして被後見人や要支援者を支える体制につきまして,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問にありましたように,地域連携ネットワークには3つの役割を果たすこととされておりますので,そのための役割を果たすことができる適切な中核機関を位置づけることが重要と考えています。 中核機関は直営,もしくは業務の中立性,公平性の確保に留意をした上で委託も可能とされていますので,今後計画策定に向け,適切な機関を検討していきたいと考えています。 ネットワークや中核機関には,権利擁護の必要な人の発見につながる広報や相談,利用促進,後見人支援等の役割や不正防止の徹底と利用しやすさの調和の観点から,新たに被後見人を支援するチーム機能が求められていますので,こうしたことにつきましても計画の中に位置づけをしていきたいと考えています。 今後,社会福祉協議会,弁護士会,司法書士会,社会福祉士会等の関係機関や有識者の協力のもと,令和3年度までに計画策定を進め,成年後見制度の利用促進につなげていきたいと考えています。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 先ほどの中核機関なんですけれども,この計画期間は5年間ですので,今年度を入れてあと3年ですので,ぜひともどこにどのような形で役割を担ってもらうかということにつきましては,できるだけ急いで決定をしていただきたいと思います。 その中核機関をもとに期限内に計画を立てることになりますから,やっぱり計画を立てるための十分に練る期間も必要になってくると思います。その点十分な御配慮をお願いしたいと思います。 次に,未成年後見制度につきましてお聞きをします。 大変残念なことですけれども,連日のように幼い子供をせっかんして死に至らしめる事件が報道されています。身体的虐待,ネグレクト,性的虐待,心理的虐待等によって深刻な事件が後を絶っておりません。 こうした背景があり,児童虐待から子供たちを守るために,平成23年に民法の見直しが行われました。 虐待を行う親から子供を引き離せない背景には,親権の問題があります。親権とは,未成年の子供を育てるために親が持つ権利の総称で,民法に規定されております。児童虐待は親権の濫用に当たり,それを防ぐために親権喪失という制度がありますが,制度が強過ぎてほとんど行われていないというのが実情でした。 こうしたことから,親権を奪う以外の方法で虐待する親の親権を制限できる制度を設けることを目的に,児童虐待防止の観点から平成23年改正が行われたものです。 この改正において,従来の親権喪失に加え,期限つきで親権を制限する親権停止の制度が創設されました。停止期間は,最長2年間とされています。 この制度見直しとともに,親権が制限された親にかわって子供の世話などを行う未成年後見人制度も見直されました。幼い子供や未成年への後見は,成人の後見とは違う課題もあろうかと思います。 今回,諸課題に対して,どのように対応する内容の改正となったのか,この点につきまして,こども未来部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 子供の命にかかわるような深刻な児童虐待事案が後を絶たない中,子供を守るための中心的役割を果たしている児童相談所では,子供の命,安全が脅かされ,緊急に親子分離の必要がある場合には,子供を一時保護や施設入所の手続をとります。 また,虐待をする親の親権を制限し,親から子を一時的に引き離すことで,子供の心身の安全,安心を守るとともに,虐待した親や家庭環境を改善し,親子の再統合を図るために親権停止等の請求を行う場合もあります。 親権停止等の審判がされ,親の親権が制限されたとき,家庭裁判所では親権制限後の子供の安定した監護を実現するため,申し立てにより未成年後見人を選任し,親権者にかわって子供の身の回りの世話や財産の管理などを行う適任者を確保することになります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 未成年後見人の選任の選択肢を広げるため,個人でなく社会福祉法人などの法人,そして弁護士などの専門職も未成年後見人になることができるようになりました。 その期待される効果や意義につきまして,こども未来部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 平成23年の民法改正までは,未成年後見人として選任できるのは1人かつ個人に限られており,一個人が未成年後見人の責務を一手に引き受けることの負担が大きいなどの理由で,適切な引受手が見つかりにくい実情がありました。 そこで,未成年後見人選任の選択肢を広げるため,未成年後見制度が見直され,複数後見及び法人後見が可能となりました。これにより,例えば子供の身の回りの世話は親戚が行い,子供の財産の管理は弁護士などの専門家が行うというようなことも可能となり,それぞれが分担して未成年後見人の責務を適切に果たすことができるようになりました。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございます。 成年後見人制度は,これまでは成年被後見人が死亡した後の成年後見人の権限については,その範囲が不明確でした。そのため,平成28年4月に関連する法律が成立し,新たな規定が新設され,明確化されましたが,制度上の制限も残っています。 高知市成年後見サポートセンターでは,日常生活を直接,あるいは間接的に支える事業として,安心して日常生活が送れる金銭管理支援などの支援をする日常生活自立支援事業を行っております。 また,高齢単身世帯などが増加しており,住みなれた地域で安心して暮らせるよう支援をする仕組みも求められる中で,新たに,これからあんしんサポート事業に取り組んでいるとのことです。 この,これからあんしんサポート事業の特徴と利用の促進策につきまして,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) この事業は,頼れる親族などがおらず,将来に不安を感じる単身生活者の方々が御自身の判断による契約で,将来の不安に対してサポートを受けることができる高知市社会福祉協議会が独自に行っている事業です。 具体的なサポート内容としては,定期的な電話連絡やスタッフ訪問による見守りサービス,施設入所や入院に関する手続や当該入所等の費用の支払い代行,お亡くなりになった際の葬儀,埋葬の執行など,家財処分や葬儀・埋葬費用の支払いを行う安心サービスなど,多岐にわたっております。 また,契約期間中に判断能力が低下をされた方で,本事業の継続が困難となった方には,状態に応じて日常生活自立支援事業や,先ほどの成年後見人制度へつなげていくための支援も行っております。 平成29年度の事業開始後,この事業の初期相談件数については,昨年度末までの累計で195件である一方,実際の契約については3件にとどまっており,事業に関する市民のニーズはあるものの,利用にはつながっていない現状があると伺っております。 市社協からは,事業を利用するために必要な要件のうち,利用者の預貯金等の上限の条件を緩和するなど利用条件を見直し,さらに事業の利用促進を図っていく方針であるとお聞きをしております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 利用状況はまだ少ないようですけれども,生活を支える仕組みとしては非常にすぐれた制度だと思います。ぜひともアピールをして,利用を促進していただきたいと思います。 この成年後見の項目の質問の締めといたしまして,市長にお聞きをいたします。 成年後見人や未成年後見人制度は,それぞれの被後見人の生活や財産を守るというだけでなく,地域連携ネットワークづくりに見られるように,地域福祉活動の充実などにつながる可能性を持っております。 今後の方針や展開につきましてどのように期待をされているのか,この点につきましてお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 高齢化が急速に進展しておりまして,認知症の方々も増加をしてきておりますので,非常に重要になると考えております。 御紹介をいただいておりますように,高知市では令和3年度までに成年後見制度利用促進計画を策定する予定ですが,計画に定める地域連携ネットワークでは,先ほどの中核機関を中心に,権利擁護が必要な方にふさわしい成年後見制度のあり方,その利用に向けた検討,専門的な判断,モニタリングやバックアップなど,さまざまな関係機関と連携した支援を充実させたいと考えております。 後見人の選定に当たりましては,弁護士や行政書士等の専門職のみならず,お互いに助け合い,地域ぐるみの支え合いの取り組みを進める中で,現在養成をしている市民後見人にも御活躍をいただきますとともに,地域の支え合いを通じて,任意後見制度の周知,普及を図りながら,地域の住民の皆様にも成年後見制度に参画をしていただく機会をふやしていく必要があると考えております。 地域の関係性を高める上で,セーフティーネットの機能を充実させ,子供さんから高齢者までそれぞれ安心して暮らすことのできる地域づくりが必要になると考えております。 国がさきに発表しました認知症施策推進大綱,今週閣議決定されました。認知症の発症をおくらせていこうと,健康寿命を延ばしていこうということもございますが,こういうものと合わせながら,我々もセーフティーネットを充実させていきたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 地域での暮らしを支える,障害の方,高齢者,また認知症など,たくさんの課題がある中で,ますます地域の役割も大きくなってまいりますので,そちらのほうの御支援をよろしくお願いしたいと思います。 次に,れんけいこうちの取り組みにつきましてお伺いをいたします。 さまざまな都市機能が集積する高知市は,県域人口の約46%を占めております。一方,他の市町村の人口規模は小さく,高知市への一極集中の圏域構造となっております。そのため,高知市と他の市町村との社会的,経済的なつながりが強く,相互に補完するという関係がつくられております。 これまでの連携中枢都市圏制度を活用することに加え,他の市町村との間においても高知県が新設する交付金等による新制度を活用することで県内市町村との連携によります,れんけいこうち広域都市圏を形成した取り組みも2年目を迎えております。 本年度は昨年度検討された項目を反映した新年度ビジョンに基づき,23事業に取り組んでいます。各事業は,高知市を中心として関係する他の市町村と日程調整や内容の協議等を行いながら進めることになります。 1年間のビジョンの推進体制を見ると,事業が実施されると産・学・金・官・民の有識者によるれんけいこうち広域都市圏ビジョン推進懇談会や,圏域市町村の首長等による定期的なれんけいこうち広域都市圏推進会議がそれぞれ年に1回から3回開催されます。 年間を通じての実務的な会議等として,事業調整チーム,担当者協議,市町村・県協議の会議が始まっております。 また,連携事業や連携体制に関する報告,提案,協議,調整等を行い,圏域の市町村が常に情報共有を図りながら相互の協力体制を確保しつつ事業を推進し,各連携事業に取り組むという意図はわかりました。こうしたことに関して何点かお聞きをいたします。 1年間をPDCAサイクルで回して,翌年度の改定ビジョンを作成することになります。また,計画期間の中間年度の令和2年度には目標値の検証も行う予定となっております。 求める事務量や成果に対して,適切な市全体としての体制となっているのか,この点につきまして,市長の見解をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) れんけいこうち広域都市圏の推進ですけれども,全国で初めて,また県及び34市町村が連携していますので,非常に限られたニーズの中で頑張ってやってくれているというふうに認識をしております。 れんけいこうち広域都市圏の推進室は,政策企画課の中に室長以下4名でさまざまな業務を担当しておりますが,これだけでは全然足りませんので,全庁横断的な組織として副部長級及び課長補佐級を中心としましたプロジェクトチームれんけいこうちを設置しておりまして,令和元年度は22名を任命,委嘱をしまして,全体として事業の調整と事業の実施に当たっております。 れんけいこうちの仕事が33市町村との調整もございますので,例えば,幡多圏域,また室戸方面にいろんな協議に行くということで,圏域内の移動に時間を要したり,広域的に連絡,調整を行わなければならないということで,それぞれの職員の負担がふえている現状にあります。 特に,昨年度と本年度はれんけいこうちの柱となります産業・観光分野における新たな施設や仕組みの構築などの立ち上げを行ったので,大変忙しい状況にありました。 それぞれ,れんけいこうち広域都市圏のビジョンに掲げる成果指標の達成状況を踏まえながら,進捗状況の検証も行い,業務が過重とならないよう工夫をして,適切な体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 今市長のお話がありましたように,事務量は本当にふえていると思います。過重にならないようにぜひともその点の御配慮につきましてはお願いをしたいと思います。 高知市と市町村,そして高知県とは,それぞれ連携協約を締結して事業に取り組んでいます。現在の事業は,圏域全体で取り組む事業が多いように思います。特に,圏域内での事業は,高知市を含む7つの高知県産業振興推進地域本部がある地域本部との関係も出てくるものと思います。 れんけいこうちの中で地域本部の役割,そして協力関係につきまして,この点につきましては,総務部長のほうにお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。 ◎総務部長(大野正貴君) れんけいこうちの取り組みでは,高知県全体を圏域とした上で,高知市がリーダーシップを発揮しまして,圏域全体の経済成長などを目的に,今年度は23事業を推進してございます。 このれんけいこうちの事業の目的が高知県産業振興推進地域本部の役割と非常に重なるところが多いことから,高知市地域本部を本市の本町仮庁舎,この庁舎ですけれども,に配置していただくとともに,本市からはれんけいこうちを担当する職員を派遣させるなど,れんけいこうちや高知市地域アクションプランなどの取り組みに対しまして,日ごろから円滑な情報共有,また協議を行える体制をしいているところでございます。 高知市以外の県下6カ所の地域本部につきましても,各地域単位での会議におけます会場確保や会議への参加,また個別事業例で言いますと,日曜市出店事業におきまして出店する市町村の輪番について各地域本部のほうで割り当て,また調整を行っていただくなど,市町村との連絡調整などに御尽力をいただいているところでございます。 今後も,このれんけいこうちの取り組みに対しまして,こうした県の御協力は欠かせませんので,定期的な会議の開催,各地域本部との情報共有など,連携をさらに密にすることで地域間の温度差をなくし,さらに事業効果を高めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 御答弁をありがとうございました。 事業の中に農林水産課が所管をいたします6次産業化推進事業があります。事業の概要として,1次・2次・3次産業事業者の交流,マッチングの機会を創出,拡大することで,事業者間のコラボレーションによる新商品開発や販路開拓の促進を図るとあります。 本年度の予算額を見ますと47万円でした。多いか少ないかは,また判断は別にしたいと思います。 新商品開発や販路開拓については,例えば高知県には外郭団体として工業技術センター等の専門機関があります。各団体は,専門的な知識を有した職員と多大なノウハウが蓄積もされております。 もっと県の役割を高めたほうが競争力のある商品の開発や有望な販路の拡大も期待できると思います。また,伝統産業推進事業や2段階移住の促進事業なども同様に考えられます。 連携事業の中には,県のリーダーシップのもとで事業を展開するほうが望ましい,あるいは成果が期待できるものと思いますので,県,市の役割分担につきまして,どのようにお考えか,総務部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。 ◎総務部長(大野正貴君) れんけいこうち広域都市圏で実施をいたします各事業につきましては,圏域が先ほど申し上げましたように,高知県と同じでありますことから,まず高知市の事業担当課と高知県の担当課によりまして,カウンターパート形式で事業の実施主体,またそれぞれの役割分担につきまして協議,整理を行った上で事業化の検討に入っていくことを,県及び全市町村と申し合わせをしております。 この入り口部分での整理の際に,れんけいこうち広域都市圏の事業ではなく,県の施策として実施をしていただく事業もありますし,御紹介をいただきました6次産業化推進事業のように,れんけいこうち広域都市圏の事業とした上で,県と本市,市町村の役割分担により事業を進めていく場合もございます。 例えば,6次産業化推進事業の例を申し上げますと,事業化検討段階で本市と県及び33市町村それぞれの役割を協議いたしまして,本市を含む市町村の役割として,6次産業化の考え方や事例を紹介させていただき,圏域内の事業者同士のつながりをつくる機会としてマッチングセミナーを実施し,昨年度でございますが48事業者,55名の方に参加をいただきまして,積極的な意見交換がなされております。 こうしたセミナーなどを通しまして,その後,具体的な案件に発展した場合は,高知県工業技術センターや高知県産業振興センター,また民間の商工会議所等も含めまして,ノウハウとマンパワーを備えた専門の支援機関におつなぎをするとともに,シーズが商品化した際の外商の場面では県の協力を仰ぐなど,取り組みの各段階に応じて適切な支援ができるよう役割分担をして,情報共有や連携を行っております。 れんけいこうちによります取り組み事業の効果を高めていくためには,高知県とベクトルを合わせまして,連携,役割分担をしていくことが非常に重要であると考えておりますので,引き続き高知県や各種支援機関との連携を図っていきたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 御答弁をありがとうございました。 予定をしておりました質問は終わりました。今回質問をつくるに当たりまして,今大きな課題になっています8050問題,ひきこもり問題や地域での生活を支える成年後見について取り上げました。 職員の方にちょっとお話をしましたところ,やっと8050問題が表に出たという言葉を聞きました。それだけ根が深い問題であろうかと思います。 地域の生活を支える,そういう視点のもとで地域福祉の充実,たくさんの課題がありますけれども,取り組んでいただきますように重ねてお願いを申し上げます。 以上で,質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。  〔川村貞夫君登壇〕 ◆(川村貞夫君) 市民の皆様,新こうち未来の川村貞夫です。 山形県,新潟県を中心とする最大震度6強の大きな地震がありましたが,幸いに大きな犠牲者はいなかったわけでございますけれども,家屋や生活資産で被害が報道されておりますので,改めてお見舞いを申し上げるところでございます。雨も降っているようでございますから,二次災害には十分に気をつけていただきたいと思います。 ところで,私は前任期中は1回だけ登壇する機会を失いましたが,今任期中は全ての定例会で個人質問をしたいと考えておりますので,執行部の皆さん,何とぞよろしくお願いいたします。 それでは,第470回高知市議会における個人質問を始めさせていただきます。 北方領土は日本固有の領土であり,第2次世界大戦後,ロシアが不法に占拠していることについては,国民ひとしく,少しでも早く我が国に返還をしてほしいと願っているところでございます。 しかし,不法に占拠された領土は戦争によって取り戻すことの是非について言及した日本維新の会の衆議院議員丸山穂高議員の発言には,酒に酔っていたとはいえ,看過できない暴論であると考えます。 政治家として最も基本的な政治姿勢として,第一番に平和を希求する姿勢でなければなりませんが,事の重大さをみじんも感じられていない丸山議員の言動に,私は政治家として失格であると思っております。 丸山議員は,議員を辞職することを考えておらず,逆に言論の自由や国会議員の不逮捕特権などにも触れながら,同様な失言は他の議員にもあるとして居座り続けているのでございますが,岡崎市長は丸山議員の発言をどのようにお考えなのか,御所見をお聞かせください。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 御指摘のとおり,戦争による解決を肯定するかのような憲法の平和主義に反する言動は,到底許されないものであり,国民の代表である国会議員の立場でありながら,丸山議員の一連の言動につきましてはまことに遺憾であります。お酒に酔っている,酔っていないという問題ではないです。 戦争が多くの人々の命を奪い,人々の心と体を深く傷つけた事案や,戦争がもたらした数々の悲惨な光景を決して忘れさせない,繰り返さないという平和希求の憲法の原点から見ても,丸山議員の戦争を肯定するかのような発言はあってはならないものであります。 日ロ間の北方領土の問題については,北方四島の帰属の問題を解決して,平和条約を締結するという基本方針に基づき,粘り強い交渉によって解決を図っていくべきものだと考えております。 この丸山議員に対しましては,6月6日の衆議院本会議におきまして,衆議院,参議院両院を通じて初めてとなります糾弾決議が全会一致で可決されています。 御本人はこの可決後も,改めて議員辞職をしない考え方を示されていますが,国会議員としての権威と品位を著しく失墜させた,そのことの重大性と責任を深く考えていく必要があると考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) ありがとうございました。 次の質問項目に移らさせていただきます。 2年前になりますが,大川村から発せられた議員のなり手がなく,村民総会,住民総会も検討するという提案には,議会制民主政治の根幹に触れる問題だけに,大変動向が注目されました。 住民総会となると,小規模の自治体であったとしても,大変な労力と経費がかかり,しかもまとまりを欠くものになることが心配されました。 結論として,大川村も導入は無理だということに至ったのでございました。しかし,大川村では村民の多くが何らかの公職を担っている実態から,村と密接な関係にある社会福祉法人や開発公社等の職員が兼業禁止の規定に抵触するおそれから立候補の制限を受けていることに問題があるとして,兼業禁止を緩和する条例を独自に定めたことで,平成最後の統一地方選挙は議員定数6人に対し7人が立候補して,無事に村議会議員選挙が行われたのであります。 大川村では議員のなり手がないということが課題として登場したのでございますが,高知市は低投票率が議会制民主制度の危機を招いていると私は考えております。50%を大きく下回っている市議会議員選挙の投票率を,私たちは見過ごしていてよいのでありましょうか。 高知市の議会改革は一定進み,市民1万人に対して市議会議員1人を選ぶという形で議会議員選挙を行っていますから,本来多様な市民の考えを反映するためには,それなりの議員規模を持った議会でならなければなりません。その点から考えますと,人口33万人に対する議員定数34人は評価できると思います。 ところが,投票率を見てみますと,毎回低下しており,4年前の投票率は38.06%,今回は36.55%と一段と低下しております。 私は,この低い投票率は何とかしなければならないのではないかと考えているところでございます。 せめて有権者の半分の方々が投票することが議会制民主政治の基礎的数値ではないかと私は考えておりますが,今回のように36.55%と,50%を大きく下回っている実態は,議会が幅広く市民の考えを反映できているのか,大いに懸念されるところであります。 このままだと,本来の市議会のあり方として,多様な市民の考えが反映された上で,市民の意思を決定する機関としての役割や意義が危機を迎えているのではないかと思われます。 私は2年前から大川村だけじゃない地方議員の会を主催し,どうすれば議員のなり手不足の対策になるかという視点で,県下の市町村議員たちと一緒になって勉強会を開催してきましたが,高知市では議員のなり手不足ではなく,民意を十分に反映できていない市議会議員選挙に大川村とは違った別の大きな課題が内在していると考えます。 市長にお伺いいたします。 平成最後の統一地方選挙について,高知県議会議員選挙では無投票の選挙区がふえ,県下の市町村議会議員選挙では軒並み低投票率にあえいだ実態をどのように見ているのか,お考えをお聞かせください。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 本年4月の統一地方選挙,前半と後半に分かれましたが,まず前半の高知県議会の議員選挙では,県下の17の選挙区のうち,香南市など5つの選挙区が無投票となりました。前回4年前は3選挙区でございましたので,ふえているということになっております。 また,後半の市町村議会選挙におきましては,安田町議会議員選挙が無投票でございましたが,高知市を含みます3市5町3村で市町村議会選挙が行われ,前回無投票でありました大川村を除き,三原村,黒潮町以外の市町村につきましては,軒並み前回の投票率を下回ってきております。 たびたび本市でも申し上げておりますが,これまで投票率が一定高かった50代,60代の投票率が本市の場合も今回下がってきておりますので,このことが高知市の先ほどの36%に近い低投票率にもつながっているというふうに考えますので,我々も非常に危機感を持っております。民主主義の根幹に最後かかわっていく課題になるものと懸念をしております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 社会が成熟する中で,課題は複雑,多様になり,単純に選挙の争点になりにくく,そのため有権者が候補者の選択に迷い,誰がなっても同じだと考え,投票自体を断念しているようにも見えますが,この点で大阪では維新の会が提唱しております都構想に対する市民の反応が統一地方選挙の投票率にもあらわれたと思いますが,岡崎市長の忌憚のない御見解をお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 地域政党の必要性ということもよく論議をされますけれども,大阪の維新の会はその地域政党の一つの代表的な会だというふうに考えております。 社会や時代の変化に合わせ,個人のニーズが多様化する現代において,お一人お一人の市民の方々の価値観の多様化,ライフスタイルも変化してきております。人々の生活におけます選択肢も多様化しておりますし,またネットによりますICTのコミュニティも進んできておりますので,一つ次元が違ってきているということを感じるところでもございます。 大阪都の構想につきましては,平成27年5月に,大阪市を廃止しまして特別区にするという住民投票を実施をし,そのときの投票率は66.8%でございました。 この平成27年4月の一月前の市議会議員選挙の投票率が48.64%でございました。今般,統一地方選挙の4月の大阪市議会議員選挙の投票率は,投票率が上がっておりまして,52.18%と上がってきておりますので,大阪都構想の是非に関する市民の皆様方が一定関心が高いということで,投票率の向上につながったというふうに感じているところでもございます。 高知市政におきましても,市政,さまざまな取り組みを行っておりますし,議員の皆様方も地域でそれぞれ活発に活動をされておられます。 やはり,市政のこのさまざまな政策の取り組みをできるだけ広く知っていただく機会をさらに広げていくということが,我々も求められているということを痛感しております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) ありがとうございました。 ところで,大川村から議員のなり手不足の問題が全国の自治体にショックを与えたことを受け,総務省の専門委員会では,今後の議会のあり方として2案を示しましたが,この案は地方自治体の実情が理解されていないとの厳しい批判がありますが,岡崎市長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 高知県が全国に発信した形になりましたが,大川村の議員のなり手不足の問題を受けまして,大川村と高知県におきましては,大川村議会維持対策検討会議が本県に設置をされまして,7回会議を開催し,平成29年12月18日付で総務省に対しまして,地方議会議員の請負禁止などの範囲の見直し,いわゆる兼業禁止の緩和等につきまして提言されております。 国におきましては,これとは別の会議ですが,町村議会のあり方に関する研究会を立ち上げまして,平成29年から30年にかけまして計7回にわたり有識者による議論がなされ,報告書が取りまとめられました。 この報告書はさまざまな議論を呼んでおりまして,この報告書の報告内容は,現行の議会のあり方を維持することを前提に,少数の専業的議員による議会の構成とし,生活給を一定保障する十分な議員報酬を支給する集中専門型と,これと対局にありますが,多数の非専業的議員による議会構成とし,契約締結など一部の議決事案から,案件を除外し,議員の仕事量負担を軽減し,それに見合う副収入型の水準の議員報酬を支給する,欧米型ですけれども,アメリカはこういう形になっておりますが,欧米型の多数参加型の2つの議会のあり方を条例でそれぞれの町村で選択をするということが提言をされております。 一方で,この国の町村議会のあり方に関する研究会に対しましては,当事者である全国町村議会議長会,また市議会も加わっております全国市議会議長会,日本弁護士連合会から出された意見書で,どちらかというと反対の意見が出されておりまして,首長と議会の緊張関係を損なう懸念や二元代表制の形骸化につながるといった意見が多く述べられております。 今回特に国の報告書の策定に当たりましては,直接,本来の当事者である市町村議会を含む市町村に対して意見聴取を行っていないままに報告書が策定をされておられます。 つまり当事者に何も聞かずに報告書を書き上げたということがこういう反対の意見につながっておりますので,行政運営に関して確実に住民の意見が反映される仕組みづくりの議論につきましては,さらに慎重な議論が求められると考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 専門家委員会から出された2つの案についても,どうも納得がいかない,腑に落ちないところが多いわけでございます。 期日前投票制度が投票率アップに相当の効果が期待されるという思いで私は見ておりましたが,今回の統一地方選挙では,さらに期日前投票所をふやして,体制を整えてきたにもかかわらず,前回以上に投票率が下がってしまったことについて,選挙管理委員会委員長はどのように見ているのか,お伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 今回の統一地方選挙では,期日前投票所の再編を図り,空白地域であった下知,潮江地区に新設するなど,市域全体にバランスよく配置し,その中でもこれまで1カ所しかなかった商業施設を4カ所に拡充し,また投票所入場券の裏面に宣誓書を記載するなど,選挙人の利便性の向上や投票環境の改善に努めた結果,期日前投票者数は前回を大きく上回り,大きな成果を得られました。 また,あかるいまち3月号の表紙を飾り,その後市議会議員選挙の啓発用ポスターや看板に採用されたイラストが市職員が書いたものであったこともあり,新聞や放送局に大々的に取り上げられ,報道をごらんになった市民の方々にも好評を博し,前回選挙時以上に注目度が上がったと期待しておりましたので,最終的に全体投票率が下がったという結果は,非常に遺憾なことであると考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 同じような質問をされて,選管の委員長も困っていますね。 私は少なくとも投票率は50%を超えなければ投票自体に問題があると考えますが,選挙を統括する選挙管理委員会の委員長の御見解を求めます。 ○議長(田鍋剛君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 選挙は民主政治の基盤を支える重要な制度でありますので,過半数以上の市民の参加が当然望ましいところであり,投票率そのもので選挙の有効性は判断できないものの,選挙管理委員会といたしましては,選挙の適正な管理執行を第一に,期日前投票所の充実や投票所のバリアフリー化など,市民の皆様が投票に参加しやすい環境づくりに努め,さらに若い世代の人たちに政治参加の意味を知ってもらうための主権者教育の実施など,啓発活動を積極的に行うことで,投票率の向上を目指していこうと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 選挙における投票率を上げるためには,罰則つきの投票条例をつくることも考えなければならなくなる状況にあると思いますが,昨日横山公大議員の質問にも答えておりますけれども,イオンの期日前投票所では投票することで扱い商品を5%引きにするプレミアムつきの呼びかけもありましたが,この種の研究を選挙管理委員会では検討するつもりはありませんでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 今回の統一地方選の期日前投票所の商業施設の開設に当たりまして,各施設の全面的な協力を得て,結果として期日前での投票率が向上し,市民の皆様にも大変好評を得ました。 その中で,1カ所の施設から投票に来てくれました市民の方を対象にした5%の割引券を配りたいとの提案があり,投票所内でのやりとりは公選法上当然のことながらできませんが,投票所を出てからの商業施設内においては選挙管理委員会として干渉できるものでないため,今回の割引券の配布となったものでございます。 内容そのものに選挙管理委員会から提案する立場にはございませんので,御理解をいただければと思います。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 選挙管理委員会は選挙という国民の重要な権利が正しく執行されているかどうか,その形態を職務として見ておるわけでございますから,その中身がどうなのかということについては触れることなく,候補者や選挙人の自主性を重んじておるわけでございます。なかなかかゆいところに手が届く答弁は難しいと思います。 また,立候補を促すために高知市では公費で負担する制度もありますが,それでも内容についてのチェックはありません。ポスターやビラ,街宣車などの形態からのチェックはありますが,訴える中身までに踏み込むわけではありませんので,現段階の質疑はこの程度にならざるを得ないと考えるところでございます。 次の質問に移ります。 高知市は,平成30年度から34年度までの5カ年の財政健全化プランを作成しました。これによりますと,5カ年で117億円の財源不足が見込まれると,再び訪れた財政危機を認め,訴えております。 合併前の平成15年に初当選されました岡崎市長の最初の大きな財政対策は,予算の執行停止でありました。合併前でしたから,合併目前の高知市の台所事情に私たちも固唾をのんで注視をしておりました。 合併後,市議会に籍を置くようになった私は,当時の高知市の財政状況は,阪神タイガースが勝ちパターンで3人の投手を次々と投入することを例に出して,タイガースの抱えている3枚看板,当時はジェフ・ウイリアムスのJ,久保田のK,藤川のFの頭文字が示す人件費,公債費,扶助費の3点,つまりJFKの3枚看板がタイガースでは必勝のパターンであるのですが,高知市はJFKが市の財政を圧迫しているのではないかと質問をしたところでございます。 若い世代の方やタイガースファンでない方はわかりにくいかもしれませんが,今回の財政健全化プランを再びJFKの観点で見てみますと,まずJの人件費ですが,人件費は職員定数をふやさないことで総額を抑え込むこと,ラスパイレス指数の標準化などで給与額の適正化を図るという両面から対応してきました。 鏡村や土佐山村の職員給与水準は高知市に比較して低く,ラスパイレス指数も低かったことがその背景にあります。 次に,Kの公債費ですが,新規の市債発行を抑制するとともに,高い利率の市債を借りかえることや,繰上償還等で市債残高そのものを減らすことに努めてきました。 加えて,尾崎,岡崎のオーツーコンビで県市連携での事業を進めてきたことや,これは長野県立大学の教授であります田村先生もしっかりと日経新聞に書いてあります。 二重行政を解消に努めるケースもふえた。特に,高知県と高知市が2018年,共同で運営する図書館をオープンしたことは特筆されると,こういうように評価も受けておるわけでございます。 これがオーツーコンビの県市連携での事業を進めてきたことや,市単独で無理をしないことなどに心がけるなど,大いに踏ん張りを見せたのであります。 臨時財政対策債を除いた市債残高のピークは,平成17年の2,541億円でした。前年には縁故債として約155億円の借りかえを実施し,身軽になろうと努力もしてきました。 その後,普通地方交付税の財源不足を補うために,国が後年度負担を約束している臨時財政対策債は,平成29年度には609億円にも膨れてきていますが,これを除く市債残高は1,359億円とピーク時の53.48%と約半分にまで下がってきました。こうしたことで,高知市の財政を圧迫してきた公債費の縮減は大幅に改善されたのです。 人件費と公債費については,これまで見てきたように,高知市の財政状況は合併時の平成17年から何だかんだといっても改善されてきました。そして,市長自身が財政は危機的状況を脱し,再建できたと素直に喜んだのであります。 この背景には,近隣3町村との合併が大きな役割を果たしてきたのです。重ねて申し上げますと,人件費の面では定数を厳しく管理し,合併でふえた職員数を定年退職があっても補充しないというやり方で人件費の大幅な削減に努めてきました。 また,合併特例債や地域振興基金などがあり,合併することで財政的に有利になる制度があったことなどで,前回の財政危機は人的に削減できる余地があり,歳入面でも国の支援があったからこそ達成できたのでございました。 ところで,もう一つの要因である扶助費,Fがどのように推移しているかというと,ここ数年,毎年一貫してふえ続けているのでございます。 こうした財政状況を踏まえて,幾つかの観点で質問をさせていただきます。 岡崎市長は平成15年の市長選挙を勝ち抜き,初当選したとき,予算の執行停止という大胆な手段に訴えて,職員はもとより議会の理解と協力を求めたわけでございますが,今考えて,市長は随分乱暴なことをしたもんだという反省はありますか。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 平成15年11月に当選をさせていただきましたので,12月議会だったと思いますが,当時15年のこの途中の決算見込みにおきまして,市税収入がこの時点で6億5,000万円ぐらい減少になる,また普通交付税につきましても5億3,000万円余り減収となることが見込まれておりました。 そのまま予算を執行しますと,高知市は昭和58年度以来の赤字決算になるおそれがありましたので,高知市では初めての措置となりましたが,市民生活に直接影響のない市職員の旅費や消耗品,印刷製本費,備品等の管理経費を中心に,高知市の予算規則に基づいて予算の執行を停止したものでございます。 この執行停止の効果等によりまして,赤字決算を回避することができ,またあわせまして,高知市の財政が危ないという広い周知徹底にはなりましたが,市議会の皆様にお認めをいただきました予算について,十分に市議会に御説明ができないままの執行停止となりましたので,当時の市議会からは強くお叱りを受けたところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 私は平成の市町村合併が高知市の財政危機を救ったと言っても過言ではないと考えておりますが,岡崎市長は合併による財政メリットをどのように考えているのか,お聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 平成17年に旧鏡村,旧土佐山村と合併をさせていただき,その後,平成20年に旧春野町と合併をさせていただきました。それぞれ鏡川の流域が一つになり,また春野町との合併では県内屈指の施設園芸地域を有するということになりましたので,我々も非常に合併してよかったと今思っているところです。 合併による財政面のメリットは2点ありますが,1つは普通交付税による合併算定がえの特例,つまりは合併しても交付税を減らさないという特例です。それともう一つは,合併に伴います交付税措置のある地方債の活用がございます。 まず,1つ目の普通交付税の合併算定がえにつきましては,今年度をもってこの特例措置が終了となりますが,この間,普通交付税の増額として措置をされました特例分については,昨年度まで,平成30年度までの数値でも129億円余りとなっております。 また,交付税つきの起債の合併特例債,また合併推進債,2種類の起債がございまして,合併特例債では昨年度の平成30年度までに総額で203億5,000万円を発行して,この財源をもとに新庁舎やオーテピア,総合あんしんセンターの整備,また鏡におきましては庁舎の整備,また地域振興基金として37億円余りを積み立てて,地域の振興のための財源に充当してきております。 また,春野町との合併以降の合併推進債につきましては,昨年度までに総額110億7,000万円余りを発行しておりまして,北消防署,また斎場,また春野庁舎の整備などに活用してまいりました。 人件費の削減をも含めまして,こういう歳入の増加のメリットも非常に多かったということで,感謝をしております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 合併の効果というのは財政面でも随分あったということでございます。財政再建策,このたびのこの書類を見てみますと,基金を取り崩してという表現も使っておりますが,基金があるうちは言えることであって,現在のように基金が底をついたときにはこの言葉は使えないと思いますが,財務部長にお伺いをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 本市では,今回の補正予算を含めた今年度の一般会計予算におきまして約42億円の基金の繰入金を計上しておりますが,その約半分が財政調整基金で20億3,000万円となっております。 財政調整基金は,平成30年度決算において取り崩しが回避できる見込みとなりましたことや,剰余金の決算積み立てにより令和元年度に使用できる基金の残高は31億3,000万円余りとなり,予算どおり取り崩しますと11億円余りまで減少いたしますが,安定した財政運営に欠かせない基金でありますので,決算の状況を見きわめながら慎重に判断をしてまいりますとともに,将来に向けましては,高知市財政健全化プランでお示しをしましたように,標準財政規模の5%以上の確保を目指してまいります。 また,特定目的基金も合わせました一般会計全体の平成30年度末の基金残高は139億1,000万円余りで,予算どおり取り崩しますと,今年度末には107億2,000万円余りとなることが見込まれております。 それぞれ条例の趣旨に沿った内容で積み立てや取り崩しを行っている特定目的基金でありますが,残高によっては後年度の事業内容を左右することもありますことから,この特定目的基金につきましても,実際の取り崩しに際しましては,決算の状況を踏まえて慎重に判断をするとともに,今後も一定の基金残高を確保できるよう,慎重な財政運営に努めてまいります。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 里山の身近な動物にタヌキというのがおりますが,タヌキは冬を越すわけですけれども,冬眠はしませんが11月ごろになりますと皮下脂肪を蓄えて冬に備えるわけでございます。 高知市で言うならば,この皮下脂肪に当たる部分が財政調整基金になるわけでございますが,タヌキの場合は冬を越すために毎年皮下脂肪を蓄えるわけです。 高知市は災害を前に全く蓄えがない状況,自然界の節理から考えても,ちょっと財政的に運営が厳しいと思うわけでございます。 南海トラフ巨大地震が必ず来ると想定されている高知市に財政調整基金を積んでいく,そのことが厳しい冬を乗り切るタヌキの知恵として要るわけでございますので,苦しくても財政調整基金を積むように努力をしていただきたいと思うわけでございます。 JFKが高知市の財政を厳しくしている要因であると申し上げていますが,平成10年度と約20年後の29年度の財政構造を比較してみますと,人件費の比率は一貫して下がり,公債費は平成11年度には一時的に高くなりましたが,その後は下がる傾向にあります。 しかし,扶助費はこの間,約2倍の伸びであります。この背景を財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) まず,人件費につきましては,定員適正化計画などに基づく組織のスリム化やアウトソーシングを進めたことなどにより,中核市で比較しても低い水準に抑えられております。 次に,扶助費につきましては,この約20年の増減を主な内訳で見てみますと,減少したものは高齢者福祉のみで,これは平成12年度の介護保険制度の施行に伴い,関連予算が新設をされた特別会計に移行したことによる減が大きな要因であります。 そのほかは大幅に増加をしており,増加額の多い順に,子育て支援は135億4,000万円の増で約3倍,生活保護は77億3,000万円の増で約1.6倍,障害福祉は66億7,000万円の増で約3.2倍となっています。 この増加の背景としましては,少子化に伴い子育て支援のニーズや必要性が高まり,保育料の段階的無償化や医療費助成などに重点的に取り組んだこと,また近年減少傾向にありますものの,高齢化や長引く不況などによる生活保護費の増加,障害福祉サービスの充実や周知が進んだことなどが上げられ,特に市の単独事業が多い子育て支援には多額の一般財源を必要とし,今後も増加していく見通しから,その財源の確保が課題となっております。 最後に,公債費はピーク時から減少していきましたものの,他の中核市と比べても突出して高い上に,今後令和6年度ごろまで高い水準で推移することが見込まれておりますことから,本市の財政運営上の重大な課題として認識し,まずは公債費の縮減に優先的に取り組まなければならないものと考えているところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 福祉に強い岡崎市長と言われていますが,職員時代はケースワーカーも担当されるなど,昔とったきねづかでしょうが,福祉施策の評価は高いと思います。 ところで,扶助費の中でも大きな負担であります生活保護費,そして近年やっと充実されつつあります子育て支援策が扶助費の大きな比率となってきておることは,先ほど説明があったとおりです。 この子育て支援事業には,市単独事業が多いこともあって,財政的な負担を強いられておりますが,一般財源を大幅に必要としておる現状をどのように考えるのか,岡崎市長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
    ◎市長(岡崎誠也君) 生活保護費につきましては,国の責任でその財政負担を行うということが基本ルールですので,そこは一般財源の持ち出しは非常に少ないんですが,子育て支援につきましては独自の事業ということになりますので,相当財源が必要になっております。 国に先駆けまして,平成26年度から第2子以降に係ります同時入所の保育料の無償化をしております。また,28年度から小学校6年生までの子供さんの医療費の無償化を実施してまいりました。 これらは市単独の事業でございますので,国庫支出金などの補助金はなく,また地方財政計画にも計上されていないので交付税措置もありませんので,市としては相当の持ち出しということになっております。 このうち幼児教育・保育の無償化につきましては,やっとですけれども,本年10月から国の施策として実施をされることになりましたので,これまでの市の単独の持ち出しが一定部分について国費や県費,地方交付税で措置されることになりますので,歓迎をしております。 人口減少社会の中で,子育て支援を初めとする地方創生が非常に急務になっております。全国市長会,町村会,市議会議長会ともにそうですが,子供さんの医療費の無償化については,国が国の責任を持って行うということを六団体で強く申し入れをしておりますので,そのことは今後とも強く働きかけていきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 市の単独事業であっても国の制度としてなされた場合には,先行しておったものが生かされるわけでございますので,そこら辺なども見通しながら運営をお願いしたいと思います。 今回,高知市が財政健全化プランとして5カ年計画を発表したのでございますが,じわりじわりと高くなってきた物件費や補助費などへの切り込みが見られず,従来と同様な健全策を述べているだけであり,私としては大きな不満が残ります。 公共施設の削減等への発想がなかったのか,財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 高知市財政健全化プランでは,市民サービスを低下させず,かつ新たな市民負担を求めずに財政健全化を果たすという基本方針のもと,あらゆる歳入確保,歳出削減の取り組みを行うこととしており,特に他の中核市に比べて突出して負担の大きい公債費の縮減を重点課題としておるところでございます。 公共施設の削減等につきましても,このプランにおいて公共施設インフラ資産管理の適正化として登載をしており,既に策定をしております高知市公共施設マネジメント基本計画や高知市公共施設再配置計画に基づいた取り組みを進めますとともに,施設の統廃合や新電力,省エネルギー機器の導入によるランニングコストの削減,財産の貸し付けなどによる歳入確保に取り組んでいるところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 市民サービスの維持を図りながら新たな市民負担を求めていかないと,なかなか高い理想でございますが,大変厳しい道であるとも思うわけでございます。 先日の行財政改革調査特別委員会では,公共施設マネジメントの点で執行部から詳細説明がありましたが,私たちが最も注視している公共施設の削減案が今回の財政健全化プランにどのようにリンクされているのかわかりにくいし,またその進度が遅いのではないかと私は思いますが,財務部長の御見解をお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 公共施設マネジメントの推進における総量の最適化に向けた再配置計画の取り組みでは,昨年度は鏡公民館畑川分館や健康福祉部旭倉庫など,この計画に基づく廃止を実施したことに加えまして,計画外でも不要となりました旧土佐山健康交流センターや朝倉共同作業所等の施設の解体を行ったところであります。 このうち,朝倉の共同作業所につきましては,これを解体,除去しまして,その跡地を隣接しますふくし交流プラザを管理しております高知県社会福祉協議会に貸し付けを行うこととし,年間125万円を新たな歳入として確保するなど,収支の改善も図ったところであります。 しかしながら,この再配置計画では今後の削減規模が検討中の施設が残っており,具体的な削減対象の絞り込みが十分ではありませんので,今後関係部局を含め,積極的に庁内で議論を行いまして,この計画内でお示しをしております削減目標を達成できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 議会でそのように御答弁をしていただきましたので,削減については精力的に取り組むということで理解をしたいと思います。 次に,INAPについて質問をします。 高知新港は開港当初の計画とは少し離れたインバウンド観光で気を吐いておりますが,これはこれで結構なことだと思います。 ところで,1998年に高知新港の供用開始式典がありましたが,当時のスリランカのアシュラフ港湾開発復興大臣から,関係する姉妹港が一堂に会する会議を持とうではないかという提案がありまして,1998年11月にスリランカで第1回目の会合が開かれたことを皮切りに,1999年はインドネシア,2002年にはフィリピン,2003年に中国で開催され,ことしの1月には20回目の会合がインドネシアで開かれたと聞いております。ホームページも開設されておりますから,ごらんになっている方も多いと思います。 INAPの目的としては,姉妹港の関係をより高度なものにしていこう,港湾の開発,振興,管理に関する情報交換を図り,経済・文化的なつながりを密にしていこうとするもので,現在は7カ国,10港が会員となっております。 韓国は2港,中国は青島港,フィリピンはスービック,セブ,ダバオの3港,スリランカはコロンボ港,インドネシアはタンジュンペラ港,バングラデシュはチッタゴン港,そして高知新港の10港がメンバーとなっているわけでございます。 今後港湾の重要性が観光だけでなく貿易面でも大きな役割が出てくることが予想されますので,この際INAPについて何点か質問をさせていただきます。港湾関連の行政は県の管轄だと言わずに,納得のいく御答弁をお願いいたします。 高知市としては,姉妹港湾の関係を結んでいるINAPの情報収集にどのように対応しているのか,中澤副市長にお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 御紹介をいただきましたINAPは,港を通じた国際ネットワークの組織で,御紹介のありました設立の目的を達成するために,機関誌の発行や年1回開催する総会の場において,広く港湾関係者,海運関係者,貿易関係者等にも参加を呼びかけてシンポジウムを開催しております。 この総会には,港湾管理者である高知県が出席しておりますので,港湾振興につながる重要な情報については共有をさせていただいており,本県で総会が開催される際には本市職員も出席し,情報収集を行っているところです。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 大型客船は高知新港へは接岸しやすいこともあり,加えて高知での観光も魅力があるとして寄港する機会が多くなってきましたが,今後は貿易面での活路をどのように切り開いていこうと考えているのか,中澤副市長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 高知新港を活用した貿易の振興については,平成29年10月に高知県が策定しました,29年度から令和3年度までを計画期間とする第2期高知新港振興プランに基づき,高知県を初め,高知ファズ株式会社など民間流通事業者や,各種団体の皆様と連携して取り組んでおります。 高知新港は四国の他の港に比べ航路便数が少なく,利便性の劣る面があり,東南アジア方面への貨物等,発注から納品までに要する時間でありますリードタイムにシビアな貨物については,高い輸送コストをかけて神戸港等を利用している実態があり,物流コストの縮減が大きな課題であると認識しております。 第2期高知新港振興プランでは,港の目指す姿の一つとして,四国における東南アジア方面への輸出拠点を位置づけ,県内貨物の利用促進による船舶航路の中心となる貨物の確保や海上輸送による県内農林水産物の輸出拡大への取り組み,コンテナ航路の充実に必要なコンテナ船の大型に対応する新たなガントリークレーン整備などを積極的に推進することとしています。 こうした取り組みを県などとともに推進することにより,高知新港への海外航路のさらなる誘致を実現し,利便性を向上させることで,県内企業の輸送コストの縮減や県産品の競争力の強化を図り,貿易拡大につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) こうした取り組みが進んでいる中でありますが,シンガポールや香港がINAPには加わっていないことを私は大変残念に思っておるわけでございますが,県に働きかけて,もう少し拡大することを検討してはどうかと思いますが,岡崎市長にお伺いをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) INAPへの香港,シンガポールの各港の参加ですけれども,現在シンガポールは世界第2位,また香港は世界第5位のコンテナ取扱個数となっておりまして,トップクラスの貿易港ということになっております。 INAPの会員の資格の基準がありまして,会員港と先ほどの姉妹港関係にある港湾が会員の資格があるとされておりまして,残念ながら香港とシンガポールともINAPの会員港と姉妹関係にはないので,すぐにはネットワークが組めないという状況にあります。 まずは,現在のそれぞれの会員港との情報交換や相互利益につながる連携を深めていくことが重要だというふうに考えます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 観光客が高知新港を利用して市内観光をしていただくことはそれなりの効果がありますが,やはり貿易として東南アジアとつながりを大きくすることが,今後高知県や高知市にとっても非常に重要だと考えます。 特に,高知が得意とする防災関連の工業製品などの輸出をふやすことが大事だと考えますが,岡崎市長のお考えをお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 防災関連の工業用品ですけれども,高知市,また高知県内の企業におきましても,県の産業振興計画とも連動してさまざまな新しい製品が生産,販売されるようになりました。 高知県内の防災関連の認定商品の売り上げを平成24年度の数値で見ますと,当時6,000万円でしたけれども,平成29年度には60億6,000万円まで拡大しておりまして,これらの企業の中には市内の企業も多く含まれております。 高知市におきましても,これらの市内の企業様の紹介を兼ねて,海外のバイヤーを対象とした見本市での製品の出展等を支援しておりますので,引き続き県市連携のもとで防災関連商品の輸出の拡大にもつなげてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 高知新港は3つのバースが主なものでございます。大型客船の接岸するバースと,石灰岩のばら積みのバースと,そしてコンテナバースと,この3つで供用されておりますので,コンテナの取り扱いがまだまだ少ないわけでございますから,拡大をするように県市連携のもとで進めてもらいたいと思うところでございます。 高知市内の企業が海外へ羽ばたいている姿は大きな希望となり,高知市の活性化に大きく寄与するものとなるわけでございますが,まだまだ手探りの状況であります。 そうした中で,香港協会は特異な存在であり,バックヤードの中国市場が非常に大きいことから,市としても支援をしていくことが要ると思います。香港貿易発展局の職員も高知にはたびたび足を運んでいただいております。 しかし,市の関与が不十分だと思いますが,組織的な取り組み強化について,市長のお約束をいただきたいわけでございますが,お考えをお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 香港は,先ほど御紹介をいただいたように,中国への経済活動のゲートウエーでもありますし,また中東やヨーロッパへもつながりが広がる重要な貿易の拠点だと考えております。 高知日本香港協会は,香港貿易発展局の支援をいただきまして,平成28年6月に設立をされ,現在中澤副市長が顧問に就任をさせていただいております。 また,高知日本香港協会が主催するセミナーにつきましては,高知市の職員も参加をしております。 今後も,高知日本香港協会が主催をしますセミナーへの参加による情報の交換,また商談会,またさまざまな現地での商品の展開を含めまして,高知日本香港協会と連携を図りながら,貿易振興をさらに拡充するように努めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 最近香港では大規模なデモが行われましたが,香港は1997年にアヘン戦争後にイギリスが統治していたものを返還されたわけでございますから,司法制度はイギリス的であります。 したがいまして,死刑制度はないわけですから,今回の犯罪者の引き渡し条例は香港人にとりましては大変大きな問題であり,反対のデモが巻き起こったわけで,香港747万人の4人に1人が参加をしたという大規模なものになりました。 このことは,一国二制度を50年間守っていくという返還時の約束事が背景にありますから,ある面,安心して交易をできるわけでございます。 資本主義のシステムが継続されていること,自治権が認められていることなどを見ても,先ほどゲートウエーという言葉が出ましたが,中国へのゲートウエーとしての大きな役割があると思います。 ちなみに,高知県の香港協会の会長は香港に出店をしております森本麻紀さんでございまして,事務局長は市議会議員の横山公大さんでございます。 以上で,私の質問を終わるわけでございますが,私は高知市政の中心課題として環境問題を取り上げております。 ○議長(田鍋剛君) 取りまとめてください。 ◆(川村貞夫君) はい。環境問題の中で環境省がレジ袋の無料配布を停止する方向に進んでいることは歓迎すべきだと思いますが,有料化になるということはそれなりの効果が期待されますけれども,製造そのものをやめていく,また我が国から東南アジアの国々に輸出されたプラスチックごみを日本に送り返すという事態も発生しておりますから,今後さらにプラスチックについては厳しい対応が求められておるわけでございます。 以上,今議会での私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) この際暫時休憩いたします。  午後0時1分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後1時0分再開 ○副議長(寺内憲資君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 山根堂宏議員。  〔山根堂宏君登壇〕 ◆(山根堂宏君) 公明党の山根堂宏でございます。 質問に入る前に,一昨日の夜に山形県沖を震源とする地震が発生をいたしまして,新潟県下越地域を中心に震度6強の揺れとなり,家屋の倒壊や液状化の被害状況が報道されており,心からお見舞いを申し上げます。 なお,周辺地域では今後大きな余震の発生など,不安な状況が続いておりますが,十分に注意をされ,被害が最小限にとまりますようにお祈りをいたします。 それでは,第470回高知市議会定例会に当たり,通告に沿って一問一答方式で質問をさせていただきます。さきの質問と重複する内容は,視点を変えて行いますので,御了承のほどよろしくお願いをいたします。 まず,市長の政治姿勢について伺います。 本年11月29日に任期満了を迎える市長選に対し,岡崎市長は本年3月定例会閉会日の挨拶の中で,5選目を目指して無所属で出馬する意向を表明され,先日6月8日には5期目に向けた政策について記者発表をされました。 今定例会での市長説明の中では,出馬に当たっての所信や政策内容については特に表明をされませんでしたが,当面する市政課題に関連して,テーマごとの各種政策の取り組みや展開をする中で,前向きな意欲を感じられる内容も含まれていたように思います。 そこで,5期目を目指す市長御自身の決意と,マニフェストの公表時期について,お伺いをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 本年3月定例議会の最終日に次期市長選挙に向けた意思を表明させていただき,今月8日には私の後援会とともに5期目への挑戦に向けた政策の5つの基本方針を発表いたしました。 平成15年11月の初めての市長選挙以来,多くの市民の方々や市議会議員の皆様の御理解と御支援をいただきまして,財政再建という非常に重い課題に取り組みながら,喫緊の南海トラフ地震対策の加速化,人口減少問題の克服に向けた地方創生の推進という2つの柱を軸に,安心・安全のまちづくりを全力で進め,その成果が上がってきております。 その一方で,高知市を取り巻く社会環境にはまだ厳しいものがあり,地域共生社会の構築や地方創生,防災対策など,喫緊に仕上げてまいらなければならない課題も多く残っております。 近づきつつある南海トラフ地震対策を初めとする災害に強いまちづくり,少子・高齢化対策を中心とする地方創生の取り組み強化を最重点課題に掲げながら,誰ひとり取り残さないという持続可能な開発目標,SDGsにもうたわれている基本理念のもとに,一人一人が手を携え,ともに支え合いながら生きる高知市型の共生社会の実現に向けまして,あんしんの共生社会,あんぜんな共生社会,すこやかな共生社会,にぎわいの共生社会,共に創る共生社会,この5つの分野を基本にした共生社会の構築を市民の皆様方とともに進めたいと考えており,出馬表明をさせていただいたところでございます。 高知市型の共生社会の実現に向けて,身近な地域で気軽に相談できる窓口の設置や自主防災組織との一層の連携による地域の防災力の向上など,地域力強化のための支援体制づくりが重要になりますので,新たなこういう地域の支援活動に対する財政支援の仕組みも構築をしてまいりたいと考えております。 市民の皆様方の命と財産を守り,暮らしを守る強い決意を持って,住み続けられるまちづくりの実現に向けまして,全力で取り組んでまいりたいと考えております。 5期目への挑戦に向けました詳しいマニフェストにつきましては,政策等の具体的な事業内容や,KPI,いつまでに何を達成するかという成果指標を記載した上でお示しをする必要がございますので,10月ごろになるのではないかと考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほどお昼のニュースで,高知県の人口が70万人を切り69万9,500人余りになったというような報道もされておりました。 市長は5つの骨子を示されており,個々の施策については,今後十分にKPIを含めて発表したいということでございますので,市民へのアピール,大事だと思いますので,私たちもそれをしっかりと勉強させていただきたいと,このように思っております。 今定例会の市長説明で,生涯活躍のまちの推進について,現在の取り組み状況を示されました。本市の移住・定住施策は今後の市政において重要なテーマであり,本年度の重点施策にも掲げ,約2,200万円の予算を計上しております。 本事業において必要となる,住まい,ケア,活躍,移住,コミュニティの5つの機能をコーディネートするための運営推進機能を担う事業主体を選定し,本市の魅力を前面に出した移住・定住施策を展開するとしています。そして,この4月に2事業者を選定し,事業構築に取り組み始めたと示されました。 そこで,高知市版CCRCを具体的に進めることになりますが,選定された2事業者については,それぞれどのような特色やプレゼン内容を評価されたのか,市長にお伺いをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 本市の移住・定住施策の一つとしまして,交流人口の拡大,また移住・定住の促進というのが一つの大きな政策となっております。 大都市圏域等から本市へ移住する中高年の方々を主なターゲットとしました,高知市版の生涯活躍のまち事業を今年度スタートさせています。 これまでの移住・定住の年齢層ですけれども,20代,30代,40代が7割ぐらいを占めておりますので,50歳以上の方々の移住が非常に少ないというところもありますので,新たな展開をしたいと考えております。 事業実現への第一歩としまして,官民連携のもとで取り組みを進めていただく事業主体を募集し,今般くろしお医療福祉株式会社及び一般社団法人高知サマサマCCRCセンターの2事業者から御提案をいただきました。 事業者の選定に当たりましては,御紹介のとおり地域への貢献や事業の持続性,安定性があること,住まい,ケア,活躍,移住,コミュニティ,この5つの機能と,それをコーディネートする運営推進機能を備えること,地域交流拠点の整備やコーディーネーターを配置することなどを評価の基準としたところでございます。 まず,帯屋町のチェントロビル2階に交流拠点を構えているくろしお医療福祉株式会社は,高知の美味,美しい味ですが,また美酒,美しい酒ですが,美味,美酒を堪能し,人情に酔って健康長寿になれるまちをコンセプトとして,医療・介護関係者や帯屋町の商店街,農業・漁業関係者等との協働によりまして,各種の交流事業や高齢者の方々の低栄養の防止,いわゆるフレイルですが,フレイルに取り組んでいく内容でもあり,コンサルティング業務で築きました事業者のネットワークの力によって人の流れをつくること,また中心商店街の活性化も含めたまちづくりの実現が期待できる提案となっております。 次に,九反田に交流拠点を構える一般社団法人高知サマサマCCRCセンターでは,首都圏から経験豊富なシニア世代を高知県へ呼び込み,地域住民の方々や若者とともに社会活動ができる場づくりなどを目的として,平成29年度に法人を設立され,既に首都圏でのプロモーション活動や高知へのツアーなどの実績をお持ちであり,その意欲と行動力に期待するところであり,そのノウハウを生涯活躍のまちづくりにつなげていただきたいと考えております。 この2業者につきましては,ことし4月15日に生涯活躍のまちの形成事業の推進に関する基本協定を締結し,今後本市の移住担当者による人的支援に加えまして,交流拠点の運営や各種事業等に対しまして,国の地方創生推進交付金を活用した助成を行いながら,中高年の方々が暮らしやすい高知市の魅力を前面に出した生涯活躍のまちの実現に向けて,官民連携のもとで新しい人の流れを生み出してまいりたいと考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) ただいま市長からそれぞれ2事業者の提案内容について紹介をされました。 そこで,この事業において高知市版生涯活躍のまち構想基本計画の目標数値では,50歳以上の移住組数の数値目標を示しておられますが,定住につながっているのかが本来の成果指標となるとも言えます。 そこで,事業のKPIについての評価基準についてお示しをください。 また,定住年数を定めているのかも含めて,これは総務部長にお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 大野総務部長。 ◎総務部長(大野正貴君) 昨年9月に策定いたしました高知市版生涯活躍のまち構想基本計画では,今年度から令和4年度までの4年間で中高年齢者の移住組数の数値目標でございますが,累計100組以上としまして,本市移住・定住推進計画本体の目標でございます県外からの移住組数200組に加えて,本事業によります上乗せ分として設定をしております。 生涯活躍のまち事業のパートナーとなります事業主体を募集する際にも,この基本計画の数値目標に加えまして,4年間累計で本事業を通じた移住者と本市企業,または地域等が求める人材とのマッチング者数100人以上,そして本事業を通じた移住相談件数200件以上をKPIとして設定をしておりまして,生涯活躍のまち事業の推進により本市への新しい人の流れを創出し,活力とにぎわいを維持,発展させるとともに,地域や各産業分野が抱える担い手不足など,さまざまな課題解決につなげていきたいと考えておるところでございます。 また,御質問にございました定住年数につきましてでございますが,本事業の主なターゲットをこれまで積み上げてきた経験や知識,スキルなどを生かして地域の持続的な発展や地域産業の振興など,さまざまな社会的課題の解決に取り組む意欲を持った方としておりまして,我々の想定では一時的な移住,滞在ではなく,末永く本市で定住していただき,活躍をしていただくことを想定しておりますことから,移住・定住推進計画と同様に定住の年数を具体的に目標数値としては設定を今のところしておりません。 しかしながら,移住・定住施策の実効性を高め,人口減少を克服するためには,移住された方に定住していただく取り組みも非常に重要でございますので,移住者への定期的なヒアリングや満足度調査の実施など,本事業の事業主体と連携をしながら,本市で定住をしていただくための検証方法についても,今後考えてまいります。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど総務部長のほうからは,定住年数については定めないけれども,十分に成果指標の中で検証していくという話がございました。 4年間の累計で100組以上ということで,これについては十分に期待をするところですけれども,しっかりと成果指標についても議会のほうにも示していただきたいと思いますので,どうかよろしくお願いをいたします。 それでは次に,高知市歌について伺います。 高知市歌は,昭和23年3月3日に公布され,現在消防の出初め式や高知市主催のイベントでは,冒頭に参加者全員で歌うことは慣例になっております。しかしながら,私は議員になるまで,高知市歌があることも,その起源についても具体的に学んだ記憶がありませんでした。 そこで,高知市歌の作成されたいわれと制定された目的,高知市民にとって市歌はどのような位置づけになるのか,総務部長にお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 大野総務部長。 ◎総務部長(大野正貴君) 高知市歌は,昭和23年に戦災と震災からの復興と文化都市建設に向けた復興文化祭を催すに当たりまして,高知市の永遠の平和的生命を象徴する歌詞を広く全国から募集をいたしまして,遠くは東京,茨城,福岡などから応募された総数1,000点もの中から,当時の山本市長,中島市議会議長を初めとします審査員の皆様によって選ばれた歌詞と曲を同年,23年ですが,3月3日に高知市歌として制定したものでございます。 この高知市歌は,戦災・震災後の混迷の時代に,復興に向けて全精力を注いでおられました市民の皆様の熱い思いが込められて誕生したものであると認識をしておりまして,誕生後も現在まで71年もの長い間,親しまれてきたことも踏まえ,これからも一人でも多くの市民の方に歌っていただくとともに,歌詞には黒潮や高知市の地名に加えまして,土佐弁も入るなど,高知らしさが大いに感じられますので,まさに市民の歌として大切にしていくべきであると考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 総務部長からは,公布されて71年になる,市民にも幅広く親しまれていくようにという話がございました。 これまで高知市民の中で高知市歌の存在が薄い理由の一つに,小中学校の児童・生徒たちが高知市歌について学ぶ機会や合唱する機会が少ないのではないかと,このように感じます。 学校現場での高知市歌についての現状と,歌う機会をふやすなど,より市民に認識されるような取り組みも大事だと思いますが,教育長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 高知市歌には,市民としての自覚や誇りが歌われておりまして,子供たちが市歌に触れたり,学んだりすることは,ふるさとを愛する心の育成にもつながるものと考えております。 高知市の学校におきましては,平成24年度末をもって閉校しました新堀小学校と追手前小学校が,その閉校を迎えるに当たり開催しました閉校式において,両校の児童が市歌を力いっぱい合唱したとも聞いております。 しかし,残念ながら,現在のところ市教委主催の連合音楽会の開会時には市歌を斉唱しておりますけれども,学校現場におきましては,音楽の授業や学校行事等で積極的に市歌に親しむような取り組みがなされていないのが実情でございます。 教育委員会といたしましては,まずは学校現場において市歌を手軽に聞き,子供たちが歌うことができるよう,改めて市歌のCDや歌詞を各学校に配付をし,例えば小学校の社会の授業において,本市の人口や面積,市民憲章等を学ぶ際,市歌も紹介し,聞かせるなど,子供たちが市歌に触れる機会を持てるよう取り組んでまいりたいと考えております。 また,市教委主催の行事におきましては,紹介をいただきました成人式で斉唱しておりますけれども,その他の事業の際にも積極的に取り入れてまいりたいと考えております。 まず,このような取り組みを続けることで,子供たちに市歌をなれ親しませ,その結果として,卒業式や入学式において市歌が自然に取り入れられることを目指してまいりますので,御理解をお願いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど教育長から御答弁をいただきました。 元号が令和になった本年からのタイミングで,新たな取り組みを始めてもいいのではないかと,このように思います。 歌詞をそらで覚えていなくても,メロディーが流れれば,手元に歌詞があれば歌えることが大事で,曲が流れても何の歌かわからないようでは残念です。どうか前向きに取り組んでいかれますように望みたいと思います。 高知市歌については,より多くの市民に親しまれ,愛されるための普及活動について,市長の御所見をお伺いいたします。 そして,本年度に完成予定の新庁舎ロビーに高知市歌の歌詞を掲示してはと提案をいたしますが,市長のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 私もかつて高知市歌の募集に至った経過等を調べたことがございますので,高知市歌につきましては非常にそういう意味でも思い入れがございます。 高知市歌の歌詞は公募によって選ばれましたが,作詞が重松富士様,また作曲家は本県出身の平井康三郎,本名が平井保喜さんですので,例規集にも市歌は載っておりますが,例規集例は平井保喜さんの名前で載っておりますが,平井康三郎さんと言ったほうが親しみがあると思います。非常に御高名な作曲家でございます。 高知市歌につきましては,高知市の4月1日の市長表彰や成人式などで,斉唱しておりますほか,市役所の庁舎におきましては,毎朝8時半の始業前に毎日平常時は流しておりまして,また議会開催時のBGMとしても流しております。 市役所の庁舎で流し始めました経過は,松尾市長のときだったと思いますが,市役所で毎朝流そうということがございまして,毎朝流すようになりました。 また,ホームページでは歌詞や楽譜とともに,歌の音源を聞いたり,またダウンロードして使用いただいたりすることができるようになっております。 しかし,市歌があることを知らない市民の皆様方も多くいらっしゃいますので,これからもより一層さまざまな市の主催行事等で歌っていただいたり,また多くの市民の方々が市歌に触れ,親しみを感じていただける機会をふやすよう努めていきたいと思います。 御提案をいただきました新庁舎ロビーへの歌詞の掲示につきましては,市歌を目にする機会がふえることで,来庁されます市民の皆様に市歌を知っていただく機会になりますとともに,本市職員にとりましても,市歌に親しみを感じることにつながるものと考えますので,新庁舎への掲示物の配置を検討する中で,あわせて検討してまいりたいと考えます。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 市長からは,今後新庁舎のロビーのレイアウトを検討する中で検討を進めてまいりたいということで答弁をいただきました。適切な対応を求めておきます。 私としては,高知市歌は市民にとっては市章と同様,シンボルとしての位置づけというふうにイメージしておりますので,何とぞよろしくお願いをしたいと思います。 次に,消防行政について伺います。 消防署所再建計画2015に基づく第3期への移行に伴い,本年4月1日より消防局の機構改革がなされました。 今回の機構改革において,情報指令課と警防課指揮班を統合し,新たに総合指令課に改編したとのことですが,組織再編の目的とメリットの概要について消防局長にお伺いをいたします。 また,あわせて増大する救急需要と高度化へ対応するため,新たに救急課を設置されましたが,救急課の体制の概要についてもお示しをください。 ○副議長(寺内憲資君) 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) 総合指令課に関する御質問にお答えいたします。 これまで119番通報を受信し,出動指令を行う情報指令課は,1班7名の3交代制で,また災害発生時に出動指令を受けて現場指揮を行う警防課指揮班は1班3名の3交代制で,それぞれ必要最低限の人数で勤務をしており,職員への負担が大変大きくなっておりました。 今回これらの職員の負担軽減や災害対応力の強化を目的に,情報指令課と警防課指揮班を統合し,本年4月より総合指令課としたもので,1つの班に指令と指揮を担当する10名の職員に加え,課長級職員を1名配置し,24時間を11名の3交代制勤務体制としたものです。 これによりまして,119番の受信から災害の終結までの消防活動を一元的に受け持つこととしましたので,初動活動を含めた災害対応力の強化や安全管理体制など,現場指揮能力の強化を図ったところでございます。 また,大規模災害が発生した場合に,消防庁長官の求めなどに基づき,高知県緊急消防援助隊を派遣する際にも,総合指令課で指揮隊を編成し,課長級職員が指揮隊長として出動するよう事前指名をしておりますので,被災地における活動もより円滑にできるものと期待しております。 次に,救急課に関する質問でございますが,これまで救急隊の教育,管理全般につきましては,警防課救急救助係の再任用職員1名を含む4名で対応しておりました。また,市民に対する応急手当ての普及啓発につきましては,警防課講習担当の再任用職員2名を含む6名で対応をしてきました。 今回,この2つの係を統合しまして新設しました救急課は,救急隊の活動検証や病院研修等の管理を行う救急管理係と救急隊の育成,指導や市民への応急手当ての普及啓発を担当する救急指導係の2係体制で,再任用職員3名を含めまして11名体制としております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど消防局長のほうからは,救急の出動についても重要性をする意味で改革をしたと,こういうことの説明をされました。 さらに,本年10月には南消防署を廃止し,(仮称)中央消防署を開署するとともに,南消防署南部分署を(仮称)南消防署に格上げをし,ハード整備の完了にあわせて各署所の機構を改革するとの方針が示されております。 そこで,現在の消防署員の総数は,定数条例369人に対して現状は366名とのことですが,在職の消防職員の平均年齢,30歳未満までの人員,30歳代,40歳代,50歳代,再任用職員の人員をそれぞれ10年前と比較して消防局長にお示しをください。 ○副議長(寺内憲資君) 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) 10年前の平成21年4月1日と31年4月1日現在を比較しますと,平均年齢は10年前の40.8歳から37.0歳で,3.8歳若くなっております。 次に,年代別の人数でございますが,30歳未満の人員は76名から102名で26名の増,30歳代の人員は108名から110名で2名の増,40歳代の人員は57名から104名で47名の増,50歳代の人員は103名から50名で53名の減,再任用職員は3名から11名で8名の増となっております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど消防局長からこの10年間で新陳代謝が進み,消防職員の若返りを確認させていただきました。 さて,本年10月1日から再編する機構改革後の新たな4署4出張所体制の中で配置される高度救助係と特別救助係,特別消防係の役割と体制について,概要を消防局長にお伺いをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) まず,高度救助係につきましては,北消防署に1係5名,3つの係の合計15名体制で配置することとしておりまして,通常の火災救助活動に加えまして,他県等への応援出動やBC災害,化学災害とか生物剤災害のことを言いますが,BC災害を初めとする各種特殊災害への対応を専門といたします。 次に,特別救助係は中央消防署と東消防署に配置いたしまして,北消防署の高度救助係と同様に,通常の火災救助活動に加えまして個別の救助任務を追加することとしております。 個別の任務としましては,中央消防署にははしご車を用いまして中高層火災に対応します特別消防係と連携しました中高層の火災救助の対応を専門とする1係5名,3つの係の合計が15名体制の特別救助係を配置します。 また,東消防署には,現在南消防署が任務を受け持っております水難救助業務を専門とする1係9名,3つの係の合計27名の特別救助係を配置することとしております。 次に,特別消防係ですが,東消防署以外の3つの消防署にそれぞれ1係4名,3つの係の合計12名体制で,全体では総計48名になってまいりますが配置します。通常の火災対応に加え,これも個別の任務を受け持つこととしております。 個別の任務としましては,北消防署の特別消防係は高度救助係と連携しまして,特殊災害への対応とともに,30メートル級はしご車による中高層火災対応を専門とします。 中央消防署の特別消防係は35メートル級はしご車と今年度配備予定の13メートルブームつき多目的消防ポンプ自動車の2台による中高層火災への対応を専門といたします。 最後に,南消防署南部分署から消防署に昇格いたします新南消防署の特別消防係ですが,現在配備しております津波・大規模風水害対策車,水陸両用バギーが載っておりますが,これの運用に加えまして,特殊火災への対応を専門とすることとしております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) ただいま説明をいただきました。 今回の組織の再編に当たっては,先ほど各年齢のこの10年間の比較を説明いただきましたけれども,現場で迅速な対応をするためのいわゆる特殊車両の機能習得や操作訓練などを含めて,この若手のメンバーの育成やチームの編成をするための人材確保,育成が今後も重要だと,こういうふうに考えるわけでございます。 そこで,各係の人員を整えるための研修,育成について,現在どのように取り組まれているのか,概要を消防局長,お示しください。 ○副議長(寺内憲資君) 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) 消防局では,高知市消防署所再編計画2015の構想段階からその実現を見据え,各係の役割に応じた人材育成研修などを行ってまいりました。 まず,救助隊員につきましては,4署に救助隊を配置するための人員確保のため,短期集中育成計画を策定しまして,平成26年度から救助基礎技能特別研修と称しまして,4カ年で58名の専門的な技術と知識を有する救助隊員の候補生を育成してまいりました。 次に,消防隊員につきましては,外部講師をお招きし,はしご自動車操作員養成特別研修や消防ポンプ自動車機関員養成特別研修などを平成24年度から実施し,合計で86名を育成しておりまして,本市が保有しております消防車を有効活用,効果的に運用できる人材を育成してきました。 最後に,救急隊員でございますが,救急医の指導のもと,平成22年度から救急現場における活動能力の向上を目的としまして,救急シナリオトレーニングを全救急隊を対象に毎年開催しております。 さらには,本年6月からは北消防署北側に移転,開院しました高知赤十字病院様の御協力を得まして,病院内に病院派遣型救急ワークステーションを設け,救急車とセットで救急隊が研修を受けることができる環境を整えましたので,救急隊全体のレベルアップにつながるものと期待しております。 なお,平成28年度に高知市消防局人材育成基本計画を策定しまして,29年度から全職員を対象としまして階層別研修を開始いたしております。 採用後4年目に消防実務遂行能力発展研修を,採用後10年目には中堅職員育成集合研修を,また消防司令補,係長級でございますが,これの昇任時に消防司令補研修を,そして消防司令,課長補佐級でございますが,これの昇任時に消防司令研修をそれぞれ実施しておりまして,各階層に求められる知識と能力の向上を図っております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど概要について説明いただきました。 最後に,再編後の各署の体制の充実・強化と,先ほど年齢別の職員の実態を示していただきましたけれども,職員の退職に伴い不足する専門的な職員確保について,また今後その他の現状の中で課題と対策を消防局長にお伺いをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) 再編後の各消防署には模擬火災訓練施設やパンケーキクラッシュ施設,高層訓練塔など,それぞれ特徴を持たせた訓練施設を整備できましたので,さまざまな災害を想定した訓練の実施が可能な環境が整ったと考えております。 一方で,団塊の世代の大量退職や近年の火災件数の減少によりまして,現場経験が不足している消防職員が増加しておりますことから,御質問をいただきましたとおり,人材の育成が喫緊の課題となっております。 今後につきましては,整備いたしました施設を最大限に活用し,人材育成のための研修や各種災害対応訓練を充実させるとともに,経験不足を補うため,ベテラン職員を活用しながら技術や知識を伝承するなど,組織力の底上げを図ってまいりたいと考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 何とぞ市民の命と財産を守る非常に重要な職務を担う消防職員でございますので,計画を持って人員を確保いただくように,心よりお願いをしたいと思います。 次に,わんぱーくこうちの再整備について伺います。 公明党会派では,わんぱーくこうちに併設するアニマルランドについて,平成28年度以来,本会議では3度取り上げまして,動物の命を守るための対策と,開園をして26年余りが経過した施設の再整備計画について求めてきました。 そして,本年度の予算でアニマルランド施設整備事業費として約1,800万円の予算が計上され,アニマルランドギャラリー館の改修と,おりにおいて動物が津波浸水から避難するスペースとなる避難棚の設置を行うこととなり,事業推進に向けた取り組みを大いに評価をいたします。 この5月には,公明党会派で現地視察を行い,園長を初め,職員の皆様方と意見交換もさせていただきました。 そこで,アニマルランドで飼育するニホンカモシカ,チンパンジー,スマトラトラ,ジャガーについて,それぞれ特徴を都市建設部長に紹介をいただきたいと思います。 ○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。 ◎都市建設部長(林日出夫君) アニマルランドで飼育する動物の特徴でございますが,まずニホンカモシカは日本に生息する唯一のウシ目ウシ科の野生動物で,中国地方を除く本州,九州,四国の山岳部に生息する日本の固有種で,国の特別天然記念物に指定されております。 その中で,環境省レッドリスト2015,いわゆるレッドデータブックでございますが,九州と四国のニホンカモシカは絶滅のおそれのある地域個体群とされております。 高知県と徳島県の教育委員会が共同で作成した四国山地カモシカ特別調査報告書によりますと,四国のニホンカモシカの推定生息数は平成15年度の報告書では2,700頭でしたが,23年度の報告書では1,600頭になっており,大幅に減少しております。 アニマルランドでは,平成9年に四国産ニホンカモシカの保護や飼育研究を開始し,わんぱーくこうち開園10周年の記念施設としてつくられましたカモシカを飼育するサークルであるカモシカ村で,現在雄2頭,雌5頭の合計7頭を飼育しておりまして,四国産ニホンカモシカの飼育頭数としては全国一の規模を誇っております。 平成29年から30年にかけて3頭の繁殖に成功し,先日そのうち1頭は種の保存に貢献するため,徳島動物園に移動しております。 チンパンジー,スマトラトラ,ジャガーの3種は,いずれも絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約,いわゆるワシントン条約の一番高いランクに位置づけられている国際的希少野生動物です。 チンパンジーは,アフリカの赤道付近のジャングルからサバンナまでさまざまな生息環境に適応したサル目ヒト科の動物です。動物園ではよく見かける身近に感じられる人気の動物です。人間とチンパンジーの遺伝子の差は3%しかないと言われ,人間に最も近い動物ですが,野生では人間の活動により生息域を奪われ,絶滅の危機に瀕しています。 アニマルランドでは,現在チンパンジーの雄3頭を飼育しています。高知城にありました高知市立動物園の時代から飼育しているタローは,推定年齢56歳です。日本全国で300頭以上のチンパンジーが飼育されていますが,現在の最高齢は58歳の雌で,タローは3番目,雄としては現在日本国内で最高齢の個体です。 年はとりましたが,まだまだ元気で,日本一の長寿を目指しているところでございます。 次に,スマトラトラでございますが,スマトラトラはインドネシアのスマトラ島のジャングルに生息するネコ目ネコ科の動物です。虎の中では2年前までアニマルランドでも飼育しておりましたアムールトラが体格では最大種であり,現在飼育しているスマトラトラが最小種になります。 野生での生息数は世界自然保護基金のデータによりますと400頭から600頭と言われています。世界中で飼育されている全てのスマトラトラには戸籍がつくられており,国際的に血統が管理されている動物でございます。 日本動物園水族館協会に所属している動物園91園中の9園で16頭しか飼育されておらず,中国・四国地方の動物園で見ることができるのはアニマルランドで飼育しているアカラという名前の雄だけでございます。 最後に,ジャガーは,中南米のジャングルに生息している梅の花模様と言われる美しい斑点を持つネコ目ネコ科の動物です。ジャガーは,近年飼育数が減少しておりますが,アニマルランドでは平成29年と本年,繁殖に成功いたしました。 平成29年に生まれたジャガーはハクという名前ですが,市民の皆様に親しまれておりましたが,本年4月沖縄に移動しまして,現在は本年3月に生まれました弟の,先日名前がリンドというふうに命名をされましたが,リンドを展示しておりまして,子供のジャガーが見られるのは全国でアニマルランドのみとなっております。 現在,動物園91園中10園の15頭しか飼育をされておりませんが,そのうち雄2頭,雌1頭の親子3頭をアニマルランドで見ることができます。 御紹介をさせていただきましたとおり,アニマルランドには希少性の高い種類の動物や長寿の個体を展示しておりますので,ぜひ皆様にアニマルランドにお越しいただきたいと思っております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 時間をとっていただきまして説明をいただきました。丁寧に説明をどうもありがとうございました。 先ほども説明がありましたように,チンパンジーは日本で最高齢の雄の56歳,またスマトラトラについては四国ではこのアニマルランドしか見えない。このように会えない。このように本市のアニマルランドは非常に小さな動物園ですが,高知県立のいち動物園にはいない特定動物であるライオン,虎,ジャガー,ツキノワグマの4種類の飼育など,全国に発信できるニュースも豊富でございます。 以前に人気を博したハルウララのように,アニマルランドが高知市の新しい名所になるかもわかりません。 そこで,アニマルランドの新たな広報活動やほかの園では行われているグッズ販売も実施してはと提案をいたしますが,都市建設部長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。 ◎都市建設部長(林日出夫君) 広報活動につきましては,ホームページやアニマルランドニュースに加え,アニマルランドの職員によるSNSを利用した情報発信に取り組んでおり,ふだんは見ることができない獣舎のバックヤードや夜間における動物たちの生態を発信しております。 これからもアニマルランド独自のイベントや足摺海洋館等,ほかの施設と連携したイベントの開催情報など,今以上に皆様に喜んでいただける,興味を持っていただける情報の発信に努めてまいります。 また,グッズ販売につきましては,来園者からの御要望もあり,一定のニーズがあるものと認識しておりまして,人員や採算性等の課題整理とともに,他都市の動物園の事例を参考にしながら検討を進めてまいります。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) グッズ販売についても検討をいただくということで,何とぞどうかよろしくお願いいたします。 さて,平成5年に開園したアニマルランドは,海に近いという地理条件もあり,施設の老朽化が激しく,雨漏りにも悩まされております。 軽微な施設補修や改修だけでは,施設の長寿命化を図るには非常に困難な実態を認識いたしました。さらに,連休や学校の休みの期間など,市民には人気の施設で,周辺での違法駐車も大きな課題となっております。 そこで,アニマルランドの再整備は,現在高知市都市整備公社に指定管理を行っているわんぱーくこうちとあわせての検討になるのか,都市建設部長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。 ◎都市建設部長(林日出夫君) アニマルランドはわんぱーくこうちと同じ平成5年に開園しており,管理棟などの施設や設備が老朽化し,施設の更新が必要な年数を経過しておりますことから,御質問のとおりアニマルランドの再整備は,わんぱーくこうちとあわせた再整備計画を検討することになると考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど部長からは,わんぱーくこうちとアニマルランドは併設している施設であるので,同じ施設として検討していく必要があると,このように答弁をいただきました。 今年度整備される動物が津波浸水から避難をできるスペースとなるおりの中の避難棚の設置は,昼間においての地震発生時の対策であり,夜間に獣舎に動物が移動した場合においては逃げ場がなく,動物の命を守ることができない現状の課題も抜本的には解決されておりません。 特に,この施設については,従来のマネジメントを考察した整備計画が必要であると考えます。 計画策定について開園30年をめどに検討を進めることを提言いたしますが,吉岡副市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 御指摘のとおり,昨年度から獣舎に設置を始めた避難棚は,スマトラトラ,ライオン,ジャガー,ツキノワグマの4種の動物が日中屋外展示室にいる場合の津波対策に対応するためのものでございます。したがいまして,アニマルランドで飼育している全ての動物の生命を守る対策も急がれるところでございます。 こうした状況も踏まえまして,アニマルランド及びわんぱーくこうちの再整備につきましては,現位置で行うのか,移転をするのかなど,場所の条件や施設の規模など,災害対応も踏まえた施設の利活用の可能性について,さまざまな角度から検討を行う必要があり,議会の皆様の御意見もお聞きしながら,開園30周年を迎える令和5年を目標に,庁内関係部局や関係機関等とも協議を進めながら,公共施設マネジメントの考え方も含めた計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど吉岡副市長からは,開園30年をめどに検討を進めるということで前向きな答弁をいただきましたので,何とぞよろしくお願いをいたします。 次に,選挙行政について伺います。 本年は,12年ごとに統一地方選挙と参議院議員通常選挙の執行が重なる年であり,全国の都道府県と市町村の選挙管理委員会にとっても多忙な年になります。 本年4月に執行された統一地方選挙に関して伺います。 高知県議選の2週間後に執行された高知市議選の投票率は,前回を1.51ポイント下回る36.55%の結果で,ワースト記録を12回連続で更新する結果となりました。 これまで他都市より早く全市的な期日前投票所の設置や充実,商業施設に拡大するなど,投票率向上に取り組んで来られましたが,思うような成果につながっておりません。 そこで,期日前投票所の商業施設を含めた再構築の成果と検証を踏まえ,投票率減少をどのように分析するのか,選挙管理委員会委員長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 本市の期日前投票所は,制度が発足いたしました平成15年12月議会での質問議員さんの御提案も踏まえ,翌16年7月の参議院選挙から,当時不在者投票を行っておりました14カ所のふれあいセンターと本庁ピロティー及び選管事務局の16カ所で始まっております。 制度開始から15年がたち,その間,福寿園での開設や若者の投票率向上のための高知大学での開設,また多くの有権者が集まりますショッピングセンターでの開設など,時代のニーズに合わせて迅速な対応を行ってまいりました。 そうした中,12年に1度,5種類の選挙の集中する選挙イヤーである本年度に合わせて,昨年度から市域全体のバランスを見据えた抜本的な見直しを行ってまいりました。 その内容といたしましては,これまで1カ所しかなかった商業施設を4カ所に増設した上で,開設日数も3日間から5日間に拡大し,また空白地域であった下知,潮江地区にも新規に開設いたしました。 その結果,多くの方に投票に来ていただき,投票者数は県議選,市議選の双方とも前回を1万人前後上回るという大きな成果を得ており,特に4カ所の商業施設の合計は,期日前全体の50%以上を占め,やはり広い駐車場とお買い物ついでに気軽に投票できるということで,市民の方々にも大変御好評をいただいております。 このような中,期日前投票の投票率は県議選,市議選ともに10%を超えるという好結果となりましたが,全体投票率は両選挙ともに前回を下回るという大変残念な結果になってしまったことは,まことに遺憾なことであり,憂慮すべき事態であると考えております。 これは投票日当日に来ていただく方が少なくなっているということであり,特に今春の統一地方選挙では,4月の異動時期の影響もあり,18歳,19歳の投票率も低下しておりますが,これまで投票率が高い年代層であった50歳代から60歳代の投票率が低下している傾向が見られることから,今後においても期日前投票所における選挙人の利便性向上と投票環境のさらなる改善を進めていくとともに,主権者教育も含めた全年代への積極的な啓発活動により,主権者意識の醸成,喚起が必要であると考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほどは平成15年からの取り組みと現状の課題を示されました。さらなる推進に期待をいたします。 少し残時間が少なくなってきましたので,次の投票所入場券の事前配付の効果については,ちょっと質問を後の分とあわせて行いたいと思います。 今回の入場券の裏面には,期日前投票所の待ち時間解消のための宣誓書が印刷され,有権者からも評価の声が上がっておりました。 さて,評価をしておきながら1点だけ指摘をさせていただきますが,今回の入場券の有権者宅への配達時期の格差が地元の地域で課題となりました。 今回の県議選の告示日が3月29日で期日前投票が翌日からできるのに,早い地域では3月31日,私の自宅には4月2日に配達,同じ町内の向かいの家には4月3日,4月4日の夕方の時点で配達されていない地域もありました。 事前に選挙日程が確定していただけに,地域の有権者からは告示日の前に配達されてもいいのに,投票日の3日前では余りにも遅過ぎるとの苦言がありました。 入場券がなくても期日前投票もできますが,宣誓書が今回から事前に配付されることからすると,配達時期は決して適正であったとは言えません。 そこで,日本郵便株式会社との配達時期の契約内容,選管からの封書の持ち込み時期,投票所入場券の送付が遅くなった理由と今後の改善点について,選挙管理委員会委員長の御所見をお伺いいたします。
    ○副議長(寺内憲資君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 最初に,入場券の送付が遅くなった皆様に御迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げます。 投票所入場券の送付につきましては,本来は公職選挙法施行令第31条におきまして,選挙の期日の公示または告示の日以後,できるだけ速やかに交付するよう努めなければならないとされておりまして,その理由といたしましては,公示または告示があるまでは,特に地方などでは無投票となるおそれもあり,事前に交付することで経費の無駄になる可能性があることなどが考えられます。 今回の県議会議員選挙におきましては,告示日が3月29日でございましたので,本市の場合,日本郵便株式会社には3月27日に持ち込み,29日の告示日を含め,4日以内に配達をするとの契約をしておりましたので,4月1日の月曜日には配達が終わることになっておりました。 しかしながら,今回の御指摘をいただきまして確認をいたしましたところ,本市がお願いしております郵送料の割引制度の場合,どうしても地域によりまして配達が立て込んだ場合,正規の料金で申し込んでいる郵便を優先することとなっており,今回のばらつきが出たとのことでした。 本市といたしましては,少しでも早く有権者の皆様に入場券がお届けでき,期日前投票なども活用していただけるように,料金プランの見直しなど,日本郵便株式会社と協議をしてまいりたいと思います。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 先ほど選挙管理委員長から御説明がありました。 いわゆる無投票の場合を想定して,経費や公選法の改正などの課題を含めて,難しい実情を認識しておりますが,本市では有権者が約27万8,000人という大きな都市であり,配達については複数の事業者に依頼するなど検討を進めてもいいのではないかと,これは提言をしておきますので,また御検討をよろしくお願いをしたいと思います。 それでは,選管の質問でもう最後になりますが,本市では市選管においても選挙公報を発行しており,選挙公報の音訳版についても作成し,希望の有権者に対応をいただいております。 さて,選挙公報の音訳版はカセットテープで制作をいただいておりますが,カセットテープレコーダーを保持しているケースが少なくなり,DVDとの併用運用を希望する声があります。 今後の対応と対策について,選挙管理委員会委員長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 稲田選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(稲田良吉君) 選挙管理委員会では市議会議員選挙や市長選挙などの市政選挙におきまして,選挙公報の音訳版として選挙のお知らせを作成し,視覚障害があり,かつ希望されている方に郵送という形でお送りしておりますが,具体的にはデイジー版という特殊なデータ形式でCDRに録音したものとカセットテープ版の2種類を作成しております。 デイジー版は専用の再生機器やパソコンでは再生できますが,一般的なCDプレーヤーなどでは再生することが困難で,またカセットテープ版も再生できるプレーヤーが市場からなくなっていくような現状となっております。 こうした状況から,希望者の意向を調査し,作成業者とも協議の上,秋の市長選挙からをめどに一般的なCDプレーヤーでも御利用いただけるCDの作成について,検討を進めてまいります。 ○副議長(寺内憲資君) 山根堂宏議員。 ◆(山根堂宏君) 秋の市長選から対応をいただけるということで,本当にどうもありがとうございました。 今回,選挙管理委員会につきましては少し時間がなくなりまして,はしょって質問をさせていただきましたけれども,今回公職選挙法違反についての対策や,今後の事前運動の防止等についても議論を深めたいと,こういうふうに思っておりましたので,この件につきましては,次回の質問のときにまた含めさせていただきたいと思います。 今後十分な対策と対応を選挙管理委員会委員長にはお願いを申し上げまして,全ての質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。  〔下元博司君登壇〕 ◆(下元博司君) 日本共産党の下元博司です。通告に従いまして,順次一問一答で質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に,土地保全条例の強化についてであります。 平成22年5月28日,春野小松の沼の造成事業者から工事計画届け出書が出され,添付の造成計画平面・断面図では,造成する高さ,かさ上げは,西に隣接する県道の道路面から3ないし3.92メートルと書かれています。 また,造成工事に関する設計説明書には,崖面の保護として種子散布を行い,工事中の危険防止のため交通監視員を配置する,このようになっています。 この届け出計画で示されているかさ上げの高さは,昨日の氏原議員に約16メートルになっていると,そういうお答えがありました。 種子の散布及び交通監視員の配置状況は確認をされているのか,都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。 ◎都市建設部長(林日出夫君) 現在の造成高につきましては,県道より約14メートルの盛り土高となっております。昨日の副市長の答弁で16メーターと申し上げましたのは,水面からの高さでございます。 種子の散布につきましては,現在は造成工事中であるため施工されておりませんが,造成完了時にはのり面保護工が適正に施工されている必要があります。 届け出の設計説明書では,工事中の危険防止のための措置として交通監視員の記載がありますが,現時点では確認できておりません。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 届け出の計画で散布については工事終了時点というふうには言われましたけれど,現に今造成が毎日のように進んでいるわけです。そういった点では,安全のための交通監視員の配置というのは本当に大事なものではないかと思っています。 届け出の計画では,農地の造成,このようになっています。ところが,現状は残土処理場で,届け出内容に反していると私は思います。 現行の土地保全条例での対応はどのようにされるのか,都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。 ◎都市建設部長(林日出夫君) 現在の造成行為は,届け出の範囲を超えて行われている実態がありますが,これまでの議会でもお答えしましたように,平成27年に地元の皆様と合意しました区域拡大について変更届を受理するのではなく,届け出をした内容どおりの造成を早期に完了させるよう,今後も粘り強く指導を行う必要があると考えております。 また,交通監視員の配置につきましても適正に履行されるよう,造成主に対して指導を行ってまいります。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 指導の範囲でしか行えないという,そういった今の土地保全条例ではないかなと思います。 吉岡副市長は今月の11日に地元の方と一緒に現地を視察されています。 先ほど申しました届け出の計画,そして内容と現状の違いについてはどのように認識をされているのか,お聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 6月11日の現地の視察により,届け出の内容と異なる造成行為が行われている状況を再認識しました。 平成29年12月に現地視察をしたときの盛り土の高さは県道より約11メートルとなっていましたが,さらに3メートル,上っている状況を確認したところでございます。 今後におきましても,届け出どおりの形で早期に完了させるよう,造成主への粘り強い指導が必要と考えておりますが,現実的には届け出の状態にするためには相当の期間を要しますことから,小松の沼を考える会の皆様から要望がありました,早期の小松の沼の排水機能の確保をするためにも,地元住民の方々及び造成主との協議を行う必要があると感じたところでございます。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) やはり指導ということになってくるということですけれど,2年前には11メートルであったのが,今は14メートルに高くなっているという,そういったことで届け出内容と全然違う方向へ進んでいますので,本当に厳しい指導ということは当然していただかなければいけないと思います。 平成30年,去年の7月13日に土地保全審査会の幹事会第1回目を開いています。その中で,現状は造成がどんどん拡大している,このことについて造成主が購入した土地の中で造成していたら,それをとめるすべがないとのことで言われているようです。 当初,届け出は5筆であったわけですけれど,これ以外に拡大しているのではないかと,そのように思います。そうであれば,当初の届け出からも変更していることになりますから,これは変更届の対象になるのではないかと私は思います。 小松の沼の西の須崎地域,ここでも平成28年5月に残土処理場として届け出があっています。造成区域は計26筆で,面積は3,336.35平方メートル,土地の名義人は,所有者は22名となっています。 届け出時点の条例では,所有者の承諾書の添付の必要はありませんでした。所有者の同意がこれでは得られているかどうかわかりません。私はこの所有者の方にお聞きをしましたけれど,同意はしていない,そのようにお答えをいただいています。 結局他人の土地を勝手に届け出をして埋め立てをしていく,それに対して高知市はその届け出を受理して,造成を許可していくというか認めている,こういった状況になっています。 同意については,一昨年7月以降は施行規則の改正によって変更時あるいは新たな届けのときには承諾書の必要があると,このように改正はされているわけですけれど,現行のこれまではそういった届け出をすれば,他人の土地が入っていても高知市はそれを受理しなければいけない,そういった状況にあるわけです。 私は,春野のこの沼の管理に関連して,平成28年3月議会で岡山市や倉敷市の埋立行為等規制に関する条例,これを紹介いたしました。 吉岡副市長は土地保全条例に関する先進都市の取り組み等も研究してまいりたい。そして岡崎市長は環境保全型で規制型でないので,そこの問題点が小松の沼で顕著に出ている。これは高知市の土地保全条例のことです。そして,裁判を起こされたときに負けないという法律的な理論づけをしっかり組み立てていく必要がある。行政自体が敗訴した事例も結構あるので,そこを踏まえながら検討していかなければならないと,このような認識を示しました。 条例強化について,これまでどのような検討をされてきたのか,その経過を吉岡副市長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 平成29年1月に,御紹介のありました岡山市,倉敷市を視察し,土地保全条例に関する先進的な取り組みについて検討を行ってまいりました。 岡山市,倉敷市の条例につきましては,瀬戸内の沿岸部等において船舶を利用して発生場所が不明である土砂が搬入され,さまざまな事業者等の介入や崩落による人家への被害,市道への土砂の流出等が発生し,周辺地域に与える影響が大きく,全市的に制限する必要性があったことから,岡山市では平成17年に条例を制定し,これは埋立行為等の規則に関する条例でございます。 倉敷市でも平成21年に条例改正によって許可制を採用したもので,条例の名称は岡山と同様のものでございますが,その許可の条件に水質調査,土砂管理台帳の作成等が義務化されているとの報告を受けております。 一方,本市では,宅地造成等の規制法により,私権の制限とそれによって保護された公共の利益とバランスを図った上で,必要最小限の区域を指定し,規制を宅地規制法によって行っているところでございますが,それ以外の地域につきましては,先ほどから言われておりますように,土地保全条例によって緩やかな規制を行っているところでございます。 御紹介のありましたように,平成29年7月には一部改正を行いまして,造成区域の土地の権利を有する者の承諾書の添付を求めることとしたところでございますが,やはり土地保全条例によってはあくまでも行政指導ということで,緩い規制となっているのが現実でございます。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 具体的には,まだ動きにはなっていないわけです。小松の沼の関係では,埋立事業者のほうからの届け出書,第3号様式ですが,この施工同意書,これには春野の地番3490のロほか4の5筆,合計4,875平方メートルで,それの造成申請面積,これは違いがあるんでどういうことかちょっと今すぐにはわかりませんけれど,造成の申請面積は約7,572平方メートル,高知市は高知市所有の沼3489番のイになるわけですけれど,この沼に対して排水をする,この同意をしているわけです。 小松の沼はウナギの寝床状の数十筆の土地があります。造成区域内には,この届け出のあった5筆以外の土地が私は当然含まれているのではないかと,そのように思っています。 小松の沼は届け出は農地造成,このようになっていますが,最初に言いましたけれど,現状は残土処理場になっています。そして,毎日のように土砂が搬入されています。 この搬入されている土砂,産業廃棄物が搬入されている可能性があるのかどうなのか,その土砂の確認,そして沼への排水を同意しているわけですから,水質検査,これについてはどのように行っているのかを,都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。 ◎都市建設部長(林日出夫君) まず,産業廃棄物についてですけれども,担当課において週に2回程度現地に赴いており,目視による確認になりますが,産業廃棄物は搬入されておりません。 なお,水質検査については,事業者が行ったという報告はいただいておりません。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 土砂については目視でということですから,これも例えば産廃が搬入されていても,その上へ別の土砂をかぶせていたら,確認できていなければ廃棄物が搬入されているかどうかわからないわけですし,水質検査も行っていないということです。これはやはり今の土地保全条例の欠陥ではないかなと,そのように思います。 先ほどの吉岡副市長も,他の岡山とか倉敷では土質調査なども義務づけをしている,そういった内容もあるということでしたので,ここは土地保全条例の大きな欠陥ということになるのではないかと,そのように思います。 そして,最近中山間地などを中心にして高齢化も進み,跡継ぎがいなくなっています。そして,管理ができなくなった農地や山林などがふえています。これを管理ができないからということで低価格で手放すことが少なくないと私は思います。 加えて,最近,新聞チラシにも入っていましたが,貸してください,売ってください,このような折り込み広告が見かけられます。今後かなりこういった広告によって手放していく土地というのがふえてくるのではないかと,そういった心配をします。 では,買い取った土地をどのようにしていくのか,太陽光発電の設置などで環境が悪化する,そういったトラブルも起きています。乱開発や小松の沼などのように残土処理場に転用される,こういった可能性も大変大きいと思います。 ことしも豪雨の季節が近づいてきました。民間の残土処理場で災害時に土砂が崩れて民家に流れ込む,こういった被害が各地で起きてきました。 国交省によると,2001年から2016年に全国で建設残土が崩落した事案は14件に上っています。2009年には東広島市で民家に土砂が流入して2人が死傷される,こういった事故も起きています。昨年7月,西日本豪雨で京都市の伏見区,ここの大岩山では南側斜面に積まれた残土が崩落をして,住宅街の約10メートル手前まで迫ってきた,こういった事故も起きています。 高知市でも無計画な埋め立てが進めば,このような事態が生まれる可能性がかなり強くなってくると思いますが,都市建設部長にその認識をお聞きいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。 ◎都市建設部長(林日出夫君) 残土処分等造成行為を目的に土地保全条例の届け出が提出された場合は,工事中及び工事完了後においても安全性が担保されなければなりませんので,崖崩れや土砂の流出等,造成行為による影響が生じないよう,条例に基づき指導を行うこととなります。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ちょっと質問に対して答弁が食い違っているんではないかと思います。 こういった無計画,今の土地保全条例の中では届け出をしたら届け出をした内容以外のことがされても何ら今の土地保全条例が効果的な指導ができていないわけですから,だからこういった土地を手放してそこを買い取った人が残土処理場にしていった場合には,こういった崖崩れなどの可能性が大きい,私はそういうふうに思いますので,後へ進みますけれど,やっぱり条例の改正などしっかりした手だてをしていかなければいけないと考えています。 災害時の崩落防止や適切な処理のために20都府県と約300の市町村は,残土を受け入れる事業者に事前許可や土質調査などを義務づける,副市長もおっしゃりましたけれど,そういった土砂条例を制定しています。約300というのは昨年の8月の時点ですからふえている可能性もあります。 先進自治体の条例は届け出制ではなくて,許認可制をとっています。そして,土地所有者等の同意,周辺住民への周知はもちろん,土砂の搬入計画の届け出や水質検査の報告,土砂管理台帳等の作成,岡山,倉敷は,これは3カ月ごとに市のほうへ報告をさせるようになっています。そして,埋立行為等の完了検査や措置命令が明記をされているところです。 成田市などでは,事業者等の責務として,特定事業に使用される土砂等の安全基準に適合しない残土を持ち込まないこと,定期的な地質検査,水質検査,ここでもその実施と報告を求めています。 さらに,事業区域に隣接する土地の所有者全ての承諾書,特定事業区域からの300メートル以内に居住する世帯の世帯主の総数の10分の8以上の承諾書の提出も求めています。 先進自治体の条例,土砂管理台帳の整備や水質・地質検査の報告,こういったことに対する条例,先進地の条例についての見解を,改めて吉岡副市長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) 先ほど答弁しましたように,他の自治体におきましては,発生場所が不明である土砂の搬入を行われたこと,人家や市道への被害が生じたことなどから,許可制を採用したものでありますので,今後条例制定を検討する場合には,個人の財産権の制限と公益性の確保のバランスを考慮することが重要であるというふうに考えておりますが,御指摘がありました先進都市の土砂条例についても検討する必要があると思います。 特に,高知県におきましては,高知県土砂等の埋立て等の規制に関する条例において,船舶による運搬や50キロメートル以上離れた場所からの土砂の搬入かつ3,000平米以上の埋め立てを行う場合に,特定の埋立行為として許可が必要となります。 しかしながら,近年の豪雨による土砂の流出などもありますことから,県条例に抵触しない場合においても独自に土砂の搬入や管理について,規制を行う必要があるというふうに考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 県条例,今御紹介がありましたけれど,これは一定の面積,3,000平方メートル以上,それから遠方からの持ち込みについてはだめですよという,そういった内容だったと思います。 今の土地保全条例であれば,私は高知市が無法地帯,埋め立てがどんどん好き勝手に,言葉が悪いですけれど,届け出さえすれば後は好きなようにできる,そういった無法地帯になってしまうのではないかというふうに思います。 環境破壊あるいは乱開発の未然防止のためにも,事前の対策,私はこれは喫緊の急がなければいけない課題だと考えますが,市長の見解をお聞きいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々この議場でも御指摘をいただいておりますとおり,現状の土地保全条例は,制定されたときの経過,その時代背景もございますので,やはり十分な規制はできていない条例となっております。 先ほど副市長が答弁をいたしましたように,高知県の土砂条例につきましては,環境保全の視点から,土壌の汚染,また水質の汚濁,並びに災害の発生を防止することを目的として制定しておりますけれども,一定の対象のエリアの考え方等がございますので,それに対象とならないものの埋め立てにつきましては,この条例の適用外ということになっております。 環境破壊や乱開発の観点から,埋め立て等の規制を行う本市の条例の改正,もしくは新しい条例の制定ということになるかもしれませんけれども,他都市の先進事例,先ほど御紹介をいただいたような事例も参考にしながら,土地保全審査会で具体的な検討を行ってまいりたいと考えます。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ぜひお願いしたいと思います。 条例の強化の必要性は認められておられるということですから,現行の土地保全条例の改定になるのか,あるいは土砂埋め立て条例などの新たな条例制定,いろいろ手法はあると思いますので,その点についてはしっかりと検討されて,できるだけ早い時期にこういった条例の改定なり創設をしていく,このことに取り組んでいただくことをお願いしておきたいと思います。 次に,水道料,国保料等の滞納者の貧困対策について質問をしてまいりたいと思います。 私は,5月に,水道料金と電気料金を滞納して水道,電気がとめられた,そういった方からの相談を受けました。 この方は最終的には生活保護の利用になったわけですけれど,この間,政府は生活困窮者が公共料金等を滞納し,電気,ガス等の供給がとめられ死亡に至る,こういった痛ましい事故が発生をしていることを受けて,さまざまな通知を出しています。 厚労省の水道課長は,平成24年5月9日付で,生活に困窮された方の把握のための関係部局,機関等との連絡・連携体制の強化の徹底について,引き続き福祉部局との十分な連絡・連携体制を構築していただくようお願い申し上げますと,こういった通知を出しています。 水道料金の滞納問題について,私は平成24年3月議会で,水道料の滞納は困窮のサインではないかと,このように質問をし,当時の舛田健康福祉部長は,水道料金を滞納することは困窮のサインである可能性が非常に高いものだと考えているという答弁をされました。 この水道料金の滞納,これを困窮のサインと山本上下水道事業管理者は捉えているのかどうか,お聞きをいたしておきます。 ○副議長(寺内憲資君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 水道料金を滞納することは,困窮のサインである可能性が非常に高いものだと考えます。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 非常に高い可能性があるということですけれど,それでは最近の5年間,水道料金の滞納によって水道がとめられた停水措置,この件数をお聞きしたいと思います。 ○副議長(寺内憲資君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 水道料金の滞納による停水措置の件数でございますが,平成26年度が2,403件,27年度2,496件,28年度2,524件,29年度2,091件,30年度1,937件,5年間の合計は1万1,451件となっております。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 5年間で1万1,400件,1年間では大体2,000件から2,500件ぐらいというそういった停水件数ということです。かなり多いなという,そういった印象です。 上下水道局は平成23年1月から料金徴収等の包括委託業務,これを開始しています。28年1月からの業務仕様書は,受託者,請負業者は業務の実施に当たって,高齢者,生活困窮者等の要支援者の異変を察知した場合は局に状況を報告する,このようになっていますけれど,業務委託を行って以降のこの報告件数はどのようになっているのか,お聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 業務仕様書第71条では,その他の報告として3項目を規定しており,受託者が業務の実施に当たって,第1項では事故等が発生した場合,第2項では法令違反等を発見した場合,第3項で要支援者の異変を察知した場合に局に報告することを義務づけたものでございます。 御質問のありました第71条第3項に規定する要支援者の異変につきましては,報告の実績はございません。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 業務委託の報告事項が事故の場合とか法令違反,それから異変があったときということで,そういった報告がなかったということですけれど,私は水道料金が滞納してとまっていく,こういった状況というのはそれこそ命にもかかわってくる,そういったことにつながってくると思います。 平成24年3月議会ですけれど,当時の明神水道事業管理者は,水道料金が滞っている方については,給水停止に至るまでに料金業者による督促や催告のほか,少なくとも2回程度の戸別訪問あるいは電話の催告を行っているので,面談した際に安否あるいは健康状態などが懸念される場合には,水道局の所管課に連絡をしてもらう,あるいは直接福祉事務所のほうに連絡してもらうなど,福祉部門との連携を図ってまいりたいと,このような答弁をされているわけです。 先ほど紹介をしました厚労省の水道課長通知は,福祉部局との十分な連携,連絡の構築に当たっては,料金未払いによる機械的な給水停止を回避する等の柔軟な対応も求めているところです。 上下水道事業管理者にお聞きしますが,福祉部局との連絡・連携体制はどのようになっているのかをお聞きいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 上下水道局では,厚生労働省の通知等を踏まえ,福祉関係部門等と連絡を図っており,現在は給水停止前にお送りをしていますお知らせに,高知市生活支援相談センター及び福祉管理課の連絡先を記載しております。 また,料金お客様センターにおきましても,滞納者の御事情によっては相談先としての御案内をしております。 そのほか,福祉部局が主催をする生活困窮者自立支援制度周知のための研修に職員が参加をし,受託者への助言を行っておりますが,今後は受託者に対しましても,生活困窮者との接し方の向上や関係機関へスムーズにつなぐ対応をとっていただくため,同様の研修機会を創出するなど,福祉部局と効果的な連携の方法について協議をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 研修も大変大事だと思います。そして,停水をして貧困状態にあるという,そこをいち早く把握するということが何よりも求められるのではないかと,そのように思います。 そういった点では,研修と同時に,そういった対応がすぐにできる,そういった仕組みをぜひ福祉担当部局とも連携をとってお願いをしたいと思います。 それから,資源エネルギー庁ですが,平成24年4月3日付で,四国電力など電力関係とガス関係団体に対して,これまでも生活困窮者と把握できた場合には,料金未払いによる供給停止に関して柔軟な対応を行うとともに,プライバシー保護に配慮しつつ,福祉部局等との連携を行っていただいている,そのように認識しています,そして引き続き福祉部局等との十分な連携等について協力していただくようお願いをする,このような通知を出しています。 このことについて,電気,ガス事業者との連携,またその実績はどのようになっているのかを,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 平成24年の通知を踏まえまして,電力会社につきましては25年から滞納に関する書類に,生活に困った場合は最寄りの福祉事務所に相談する旨を記載していただいておりますが,ガス事業者に対しては,対象事業所も多く,そういう働きかけを行いましたが,対応はできておりません。 当時の事業者の方々との協議の中では,個別の情報を提供いただくということはなかなか難しいというお話もあり,個々の滞納者に関する情報提供を求めるよりも,支払いが困難な状況にある方々をできるだけ早い段階で高知市生活支援相談センターの支援につなげることが重要だと考えております。 このため,広報あかるいまちを初め,ホームページや配布物等を通じまして広報を強化するとともに,民生委員さんなど相談支援にかかわる方々への生活困窮者自立支援制度の周知を図り,あらゆる生活課題の相談に応じる中,公共料金などの滞納がある場合も,家計の収支を見直すことなどにより生活の再建の支援ができる,そういう取り組みを進めてまいりたいと考えています。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ガスのほうはちょっと協力がいただけていないということですけれど,水道の滞納にしても,電気料の滞納でとめられたとか,こういったことについて生活支援相談センターへの相談というのはない,もしくは極めて少ない状況のようにお聞きをしています。やはりそこへしっかりつないでいく,そういった連携体制をとっていただきたいと思うところです。 厚生労働省社会・援護局ですが,ここが平成24年2月23日付で中核市長宛てに,要保護者の把握のための関係部局,機関等との連絡・連携体制の強化の徹底について,一部自治体では関係部局,機関等の連絡・連携体制が十分に図られていない,そういった実態が見受けられる。 生活に困窮された方に関する情報を地方自治体の福祉担当部局が適切に収集する観点から,改めて管内における電気,ガス等の事業者等との連絡・連携体制の実態を把握した上で,事業者等と連携を強化されたい。 また生活困窮者に関する得られた情報が着実に必要な支援につながるよう,地方自治体の福祉担当部局にこうした情報を一元的に受けとめる体制を構築されたい,そういった内容の通知が出されているわけです。 一元的に受けとめる体制,支援相談センターになるのかなという気もしますけれど,この体制の構築はどのようになっているのかを,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 基本的には,こうした情報を一元的に受けとめる体制としては,福祉事務所あるいは生活支援相談センターになると考えております。 先ほど答弁をいたしましたように,電気,ガス等のライフラインの事業者の方々から直接的に個別の滞納情報について情報提供いただくという件数は,現実的には今のところございませんので,これからも事業者に対する働きかけは必要だと考えておりますけれど,なかなか課題としては難しいところでございます。 一方で,それぞれ市役所の中の税や保険料,そういったそれぞれの窓口における滞納者の方々に対する相談支援の仕組みをしっかりと構築をしていくということが重要になりますので,それぞれの窓口において丁寧に支払いに向けた相談を受け付けるということと,生活困窮に至っている,また生活困窮ではないかと思われるケースについては,それぞれ適切な福祉事務所,生活支援相談センターにつなげていただくように研修等を行って取り組んでいるところでございますので,そういう取り組みを強化していきたいと考えています。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ぜひ体制強化の構築を急いでいただきたいなと思います。民間の事業者との関係もありますので,そういった事業所に対しても粘り強く連絡もとっていくということで,ぜひお願いをしたいと思います。 これから本格的な暑い夏になります。異常な暑さです。昨年7月には札幌市,最高気温が31度,その暑い中でマンションの一室でひとり暮らしの女性が熱中症で亡くなっています。 部屋にクーラーとか扇風機もあったようですけれど,電気料金を滞納していたために,5月の上旬から電気がとめられていた,使えない,そんな状態であったというふうに聞いています。 こういった悲惨な事故が起こらないように,やはりライフラインにかかわる水道,電気,ガス,こういったところにはそういった異変がある,困窮状態がある場合には,いち早く連携をとって対応できる,そういった仕組みが必要だと思います。ぜひ仕組みづくりについて,なお一層力添えをしていただきたいと思います。 昨年3月議会でも滋賀県の野洲市のことも紹介をしました。滞納などについて野洲市のほうは,ようこそ滞納していただきました,こういった条例も定めて,滞納生活困窮者のシグナルと捉えて,市を挙げて生活再建の手助けをしています。野洲市に追いつき,また追い越す,そういった高知市になるように期待をしておきたいと思います。 次に,国民健康保険証の交付についてお聞きをしてまいります。 昨年の12月議会で取り上げました,妻と幼児の3人世帯のAさん,昨年6月に無料・低額診療の医療機関を訪れて受診し,総合病院に紹介をされましたけれど,無保険であったAさんは医療機関が作成した病状,受診経過を持参した上で市の窓口へ行きましたけれど,滞納額が払えないということ,それから総合病院の検査だけでは特別な事情があるとは認められないということで,保険証が交付されませんでした。結局,Aさんはことしの2月28日,食道がんで亡くなりました。 この事例について,村岡健康福祉部長は昨年12月議会で,今回の事案についてはより丁寧な対応が必要であった,今後の窓口の対応に当たっては特別の事情を十分考慮しながら慎重に対応してまいりたい,そう答弁されました。 国保法の第9条は,被保険者資格証明書の交付を受けている世帯に対して,災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは被保険者証を交付するとなっています。 厚労省保険局医療課からは,平成21年9月25日付で国民健康保険主管課宛てに出している通知ですけれど,新型インフルエンザの流行に関するQアンドAです。 これでは,内容は,問いとして資格証明書を交付している世帯から新型インフルエンザに感染したと疑われるが,経済的理由から医療機関で10割の医療費が払えない,そういった申し出があった場合,国民健康保険法第9条第7項に規定する特別の事情に当たると判断をしていいかというものです。 答えは,新型インフルエンザの疑いにかかわらず,当該世帯主が保険料を納付することができない特別な事情に準ずる状況にあると考えられる。この場合,保険者においては世帯の状況について改めて確認をとることができない場合は,後日確認をとることとし,緊急的な対応として短期保険証を交付することは差し支えない。 このような場合は,資格証明書の交付時点で特別の事情の把握に努めていれば,もともと資格証明書の交付対象でなかった可能性もあるところであり,資格証の交付時点でなぜ把握できなかったか,事務処理体制をチェックするとともに,他の資格証明書交付世帯についても,新型インフルエンザの大流行の前に再度,特別の事情の把握を徹底するなど,被保険者の医療の確保に遺憾なきよう適切な運用に努められたいと,こういった内容であるわけです。 先ほど紹介をしましたAさんの場合も,資格証の交付時点でなぜ特別事情を把握できなかったか,その事務処理体制のチェックが必要だった事例ではないかと思いますけれど,健康福祉部長の見解をお聞きいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問のケースにつきましては,窓口に来られたときの対応につきましては,これまでもお答えしてきましたとおり,御相談の中で,直近に給与収入があり,保険料の納付とともに病院受診の費用の捻出も可能であるという旨の申し出がございましたので,特別の事情について考慮しなかったものでございます。 一方で,資格証明書の発行時点では,なかなか長期にわたって相談の機会を設けるということで御相談をしても,相談に来られない方というのもおいでますので,長期間接触の機会が設けられなかった方については,そういったそれぞれの家庭の事情が把握できずに資格証を発行するケースもございますので,その点は御理解をいただければと思います。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 昨日の部長の答弁の中で,滞納額2分の1以上を納めるということについてですけれど,保険証を発行する場合は滞納額の2分の1以上を納める,そしてもう一つは分納計画の履行をしてもらう,そして特別な事情がある場合,この3つの要件のいずれかに該当すれば保険証を発行していますという,そういった内容の答弁だったと思います。 私はやはり2分の1ということが,最初に出てくるということは,市民にそういったことを最初に言うということは,少し機械的な事務的な対応になっているんではないかなと思います。より丁寧な対応とか,特別の事情を十分考慮しながら慎重に対応するという,こういったことを言われてきているわけです。 私は機械的,事務的な対応でなくて,より市民に寄り添った丁寧な対応ができるように,その体制の整備と,それから現場の職員の方々にもそういったことをしっかり周知をしていただきたいと思いますけれど,いかがでしょうか。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問のような残念な結果が二度と起こらない,そういう状態をつくるということは大変重要でございますので,資格証明書発行世帯であっても,医療の必要性があるという申し出があった場合には,一旦短期保険証を発行し,まずは医療を受けていただいた上で,後で改めて納付相談を確実に行い,納付計画を立てていただくよう,窓口の運用をこの4月から見直しをしたところでございます。 また,そのことについては職員に対しても徹底を図っております。 また,資格証明書の発行に当たりましても,収納係の職員だけではなく,課に在籍をする保健師やレセプト情報を管理する給付係の職員によりまして構成をする資格証明書交付検討委員会を本年4月に立ち上げましたので,さらに交付に当たってもきめ細やかな対応を心がけていくよう,体制整備を図ったところでございます。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ぜひお願いをしたいと思います。 命にかかわる国保ですから,市民の健康,命を守る行政として,悲惨な事態が起こらないようにぜひお願いをしたいと思います。 続きまして,生活保護利用者等の情報の警察への提供について質問していきたいと思います。 検察あるいは警察から生活保護の利用者の個人情報の照会について,共同通信のアンケート調査結果が報道されました。 自治体側の厳格な対応が必要との警鐘が鳴らされています。アンケートは,ことしの2月から3月,政令市や県庁所在地,東京23区など,規模の大きい74自治体に行っています。 回答はそのうち72自治体からあり,捜査当局から求められれば,原則的に照会された全項目を提供する自治体が14あります。その中に高知市も,合理的な照会かどうかを見きわめ提供しているとなっています。 これまで高知市に対し,検察や警察から個人情報の開示請求件数はどれくらいあったのか,お聞きをします。 また,新聞報道では,一度に50人分の照会が届いた,こういったことも伝えられていますけれど,そのような事例は高知市にあったのかどうかを,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 検察または警察等の捜査機関からの生活保護受給者に関する情報開示請求に対し,本市が開示した件数は平成28年度が38件,29年度が31件,30年度が20件となっており,年度ごとの照会件数はおおむね30件から40件程度で推移をしております。 開示請求は,1件につき1名の形となっておりまして,報道にありましたように,まとめて大人数の照会がなされた事例は,本市ではありません。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 20件から30件,40件近い照会があっているということですけれど,この中で合理的な照会かどうかを見きわめているということですけれど,見きわめた結果,不開示とした事例というのはあるのかを,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 捜査機関からの照会につきましては,刑事訴訟法を根拠としておりまして,回答に当たってはその法的根拠と個々の照会内容との整合性や法に沿うか合規性を精査しているところですが,これまでに不開示と判断をした事例はございません。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 不開示事例はないということですけれど,それでは総務部長にお聞きをいたしますけれど,先ほど警察あるいは検察から福祉部門以外の税あるいは窓口センター等,そういった部署での開示請求があったのかどうなのか,あった場合の件数をお聞きしたいと思います。 ○副議長(寺内憲資君) 大野総務部長。 ◎総務部長(大野正貴君) 中央窓口センター等,窓口センターにおきまして平成31年1月1日から5月31日までの間,警察や検察から開示請求があった件数及び開示した件数は,それぞれ1,361件でございまして,月平均では約270件となっております。 それ以外,税部門も含めまして,それ以外の部門で照会を受けたものはございません。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 5カ月で1,361件という,月でいうと270件ですか,かなり多い件数ですね。びっくりします。 この警察とか検察からの照会について,埼玉県は平成15年5月26日付で,埼玉県警本部長名で出された捜査関係事項照会書,これについて不開示決定をしています。 埼玉県の情報公開審査会も埼玉県情報公開条例の規定がこれは適用されないとして不開示決定は妥当,こういった結論を出しているところです。 その結論の内容は,埼玉県警の主張はこういうことです。捜査関係事項照会書は,警察署が各自治体に個人情報を請求した文書である。警察署であるから各自治体は慣習的に公開をしている。その実体を調査する目的を有しているというもので,これが埼玉県警の言い分で,公開してくれというもの。 これに対して審査会は,埼玉県情報公開条例の適用除外の項目について,刑事訴訟法では訴訟に関する書類は原則として公判の開廷前には公にしないこと,訴訟関係人に対する公判開始前後の訴訟関係書類及び押収物を含む証拠物の閲覧等が規定されたり,訴訟終結後の訴訟記録の閲覧についても,刑事確定訴訟記録法により,その取り扱い,開示,不開示の要件,刑事手続等が自己完結的に定められていると解されるために不開示としている。 本件請求内容の対象となる文書は,刑事訴訟法の規定に基づく文書であり,地方警察職員が犯罪の捜査に当たって,公務所または公私の団体に照会が必要な場合に作成する捜査関係事項照会書であり,本件文書は類型として刑事訴訟法に基づく刑事訴訟手続における捜査活動の一環で作成し,取得される文書であると認められる。 このように本件文書は刑事訴訟法に基づく捜査活動上の種類であることからすると,条例第39条の刑事訴訟法手続上の書類は,公文書の開示制度とは別の刑事訴訟法等における制度に委ねるべきであるとする趣旨に照らして,実施機関が本件文書は,県がですね,本件文書は刑事訴訟法上に規定されている訴訟に関する書類に該当するとした判断は妥当であると認めるのが相当,このような判断をしています。 総務部長に改めてお聞きしますが,警察や検察からの市民情報の開示請求について,高知市の基本的な考え方をお聞きいたします。 ○副議長(寺内憲資君) 大野総務部長。 ◎総務部長(大野正貴君) 御紹介をいただきました埼玉県情報公開審査会での捜査関係事項照会書に関する審査請求につきましては,刑事訴訟法の法律条文に不開示に関する規定が法律そのものにございます。 したがいまして,埼玉県情報公開条例の適用外として照会内容の不開示が妥当と答申をされたものでございます。 御質問にありました本市の運用でございますが,本市では高知市個人情報保護条例第10条におきまして,保有個人情報は原則,市の機関以外への外部提供をしてはならないということとしておりますけれども,大学教授,弁護士,人権擁護委員など10名の有識者の方々で構成されます高知市個人情報保護運営審議会の皆様の意見を聞きまして,実施機関が特に必要があると認める場合は外部提供ができることとしております。 ただし,外部提供ができる場合とは,個人情報の使用目的に公益性がある場合,または実施機関から提供を受けなければ目的を達成することが困難な場合であって,かつ提供する個人情報の内容,目的,その他の事情から見て,本人の権利,利益を不当に侵害するおそれがない場合のみとしておるところでございます。 したがいまして,本市に対し,警察や検察から刑事訴訟法第197条第2項の規定に基づく照会がなされたものにつきましても,同審議会においてこうした条件を満たしている場合に限り,外部提供を認めることを決定しているところでございます。 ○副議長(寺内憲資君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 基本的には外部からの情報の提供は不開示ということになっているわけですから,私はやはり警察,検察にかかわらず,外部からの情報開示請求があったときには,慎重な対応をしていただきたいと思います。 高知市も人権尊重のまちづくり条例を施行することになっているわけですから,市民の人権を守る,プライバシーを守る,これは行政の大きな仕事だと思っていますので,どうかそのことを頭に入れて,今後の対応をしていただきたいと思います。 時間が少し余りましたけれど,以上で,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(寺内憲資君) この際暫時休憩いたします。  午後2時52分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時10分再開 ○議長(田鍋剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 伊藤弘幸議員。  〔伊藤弘幸君登壇〕 ◆(伊藤弘幸君) 公明党の伊藤弘幸でございます。平成最後の高知市議会議員選挙で市民の負託を受け,市民の代表として職責を全うしてまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。 自転車安全対策について。 先日,甲木議員がこの質問をされましたが,自転車乗車時のヘルメット着用についても,私もこれまで執行部に対し重ねて質問をしてまいりましたので,重複いたしますが御答弁をよろしくお願いいたします。 高知県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例がことし4月1日より施行され,その条例には,18歳以下の生徒や児童が自転車に乗車するときは,保護者がヘルメットを着用させるよう努めなければならないとうたわれています。 それを踏まえて,本市でも平成31年3月定例会において,令和元年度の予算で自転車ヘルメット購入費300万円分の助成事業を新設,この4月より高知市立の小中学校,高知商業高等学校での申請受け付けが開始されています。 これまでヘルメット購入の助成事業について議会質問をさせていただき,事業がスタートしたことは大変に喜ばしく思っております。 4月の新学期は通学環境が変わり,事故も起こりやすいことから,自転車の安全条例が施行されたその日から,高知警察署や県交通安全協会高知支部,高知地区安全運転管理者協議会などが,街頭で中高生や新入社員らに条例の概要を説明し,チラシを配布し,自転車乗車時のヘルメット着用で事故の被害を軽減するよう呼びかけている地元紙の報道などもありました。 そこでお伺いしますが,自転車用ヘルメット購入助成の申請受け付けの状況をお聞かせください。 教育長は,平成31年3月議会において事業を開始し,推計よりも多くの申請があり,予算が不足する場合については補正予算を検討する旨の答弁があり,今回の6月議会で自転車ヘルメット購入助成事業費の増額補正が組まれました。 今後の申請件数が伸びることがあれば,再び補正予算を組まれるお考えがあるのか,お聞きします。 また,先月中旬の地元紙に,ふえぬ生徒のヘルメット,高知市着用わずかなどの記事が掲載されました。 その内容は,春の交通安全運動を控えた5月10日午前7時半,高知市梅ノ辻の鏡川にかかる潮江橋では,登校する中高生の自転車の交通量がぐんとふえる時間帯になるが,そのほとんどがノーヘルである。 また,8時までの30分間にヘルメット着用を検証すると,この橋を自転車で渡った生徒の283人のうちわずか16人だったと載っており,1割を切っております。 先ほどの記事で紹介した生徒たちの声は,1,ヘルメットを着用することはよいことであるが,周りに着用者がほとんどいないので自分だけが浮く。2,ママチャリなのでスポーツタイプのヘルメットは格好が悪い。3,何で18歳以下だけ,大人も事故のリスクがある。 ヘルメット着用の普及しない理由の一つに子供を取り巻くルールの構造があるようです。 そこで,昨年9月議会にて紹介した先進的に取り組む地域の交通安全協会高知南支部と高知南地区安全運転管理者協議会などが高知南警察署管内に居住する中学生,高校生や管内の中学校,高等学校に通学する生徒を対象に10月より受け付けを開始し,100名のヘルメット購入助成を促していましたが,ことしの3月末で終了いたしました。申請数は26件だったそうです。 平成31年3月定例会において我が会派の山根堂宏議員が代表質問で述べたように,通学する生徒にヘルメットの着用を促すことで自転車通学においての死亡事故をゼロにするという,ヘルメット購入助成事業の成果目標につながってまいります。 助成事業から一歩進んで,自転車通学の際に生徒の命を守る対応策の一つとして,学校長が自転車通学を認める際の条件で,ヘルメットの着用を義務づけることも必要ではないかと考えますが,教育長の御所見をお伺いします。 県条例第11条に,保護者は児童らが自転車を利用するときはヘルメットを着用させるよう努めなければならないとあります。努力規定で罰則がありません。 校則はどうなのか。自転車通学を認めている県内の小学校64校では全てヘルメット着用を義務化,高知市は久重小学校1校で義務化されています。県下の中学校では76校が義務化,高知市は鏡,土佐山,行川中学校の3校だけです。また,県下の高等学校は全てゼロであります。 県条例第17条には,県は,国,市町村及び関係団体と連携し,自転車に係る利用環境の向上を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとすると載っております。 高知市だけがおくれている状況であります。さきの3月定例会において教育長からは,今年度にヘルメット着用の義務化を含めた着用率の向上に向け,校長会やPTA,校区交通安全会議,また関係機関の方々から意見をいただく場を設定するとの答弁がありましたが,具体的にどのような意見交換をなさるのか,内容をお聞かせください。 県警が4月施行直後に行った調査では,高知市の中学生の自転車乗車時の着用率は5.9%,高知市以外74.9%と,高知市が着用ルールの網からすっぽり抜けている状況とのことです。 これらを鑑みると,全庁で横断的に各地域や各学校,そして市民にチラシを配布する以外に,保護者に意識を持っていただくために呼びかけるなどの,周知を図る方法が必要であると思います。 ここで,先進自治体の愛媛県の例を紹介しますと,2013年7月に自転車の安全な利用の促進に関する条例を施行していますが,その条例の第5条の趣旨説明には,自転車の安全な利用は,自転車を利用する者が車両の運転者として自覚を持って取り組む必要があるため,県民の責務とは別に,自転車利用者の責務などを規定したものと明記し,具体的に,1,道路交通法などの法令遵守。 2,自転車損害保険などへの加入。 3,自転車の点検,整備,そのほか交通安全対策。 4,自転車利用者の励行事項。 4の(1),自転車乗車時に乗車用ヘルメットを着用。 4の(2),歩道の通行時は車道左側の歩道を通行。 4の(3),歩行者の通行が頻繁な歩道では自転車を押して歩くとあります。 愛媛県のホームページを見ますと,道路交通法に加えて,条例で全ての自転車利用者が乗車用ヘルメットを着用することを励行事項として記載しております。 新聞記事には,2015年2月には愛媛県職員が率先してかぶる着用宣言を採択した結果,職員のヘルメット着用が一変したと報じられています。 愛媛県職員の自転車乗用ヘルメット着用宣言の一言に,ヘルメットの着用は,交通ルールを守り,みずからの命を守る心がけのあかしであり,交通安全の原点であるとの認識のもと,県職員が一丸となって自転車乗用ヘルメット着用を促進していくことを宣言しております。 本市もこの宣言を視野に入れ,いち早く自転車通勤をしておられる市職員や公立小中学校の先生が率先して,ヘルメットの着用を図ることが効果的であると考えますが,市長に御所見をお伺いいたします。 私たち大人が,自転車乗車時にヘルメットを着用する行動を示せば説得力が生まれ,生徒がヘルメット着用で自分だけ浮くとか,なぜ18歳以下なのかという声がなくなるのではないでしょうか。 誰もが気軽に乗れ,環境に優しい交通手段で,手軽な乗り物として多くの人が利用している自転車ですが,自転車対歩行者においては,全国で年間約2,500件の事故が発生しております。 事故の年齢層を見ると,19歳以下の事故件数が全体の4割を占めています。主に交通ルールを守らないことが原因として考えられます。 道路交通法では,自転車は車両の一種,軽車両で,法律違反を起こすと自転車利用者は刑事上の責任を問われます。この状況を踏まえ,マナーや交通ルールを子供たちや保護者と一体で学び,身につけていただく交通安全教室の取り組みは,意識向上を図るために効果的なことではないでしょうか。 ここで,昨年9月議会で提案した交通安全教室の内容の充実という観点から,親子参加型の交通安全教室の開催について,検討状況はいかがでしょうか,市民協働部長にお聞きします。 続きまして,昨年12月定例会において,自転車事故による損害賠償保険の加入に関する質問を,他都市の取り組みも紹介させていただきました。 相手にけがを負わせた場合や物を壊した場合,損害賠償が発生します。ましてや死亡事故などを起こせば,高額の賠償責任を問われます。加害者も被害者家族も大変な状況に陥ります。 本市として,生徒たちの自転車事故に対応できる損害賠償保険について,教育長より公立中学校,義務教育学校では例年自転車通学が始まる入学時に合わせ,保護者に御案内しておられるとの説明でありました。 このほかにも,保護者の方が加入している自動車保険,生命保険などの特約として,同居家族が自転車事故を起こした際,被害者への補償が附帯している場合の紹介もありました。 本市でも,近年危機管理意識の高まりや損害賠償請求額の高額化などを受け,PTA予算を活用して自転車事故に対応する保険に団体加入する事例も,現在5つの中学校においてあるとお聞きしています。 本市においてPTA予算で団体加入できるよう,各学校のPTAの機運を高めるような取り組みを教育委員会が積極的に行っていただきたいと思いますが,そのお考えはありませんでしょうか。 損保保険会社の中には,無料通信アプリのLINEで加入できる保険商品や火災保険または自動車保険の特約として,サイクルパッケージという商品があります。 また,自転車安全整備士がいる自転車店で加入できるTSトラフィック・セーフティー・マーク附帯保険などがあります。パンクなどの修理や有料整備点検を実施して,安全確認のTSシールを希望すると,自転車損害賠償保険が自動的に加入できるものもあります。 現在,教育委員会が地域別の単位で毎年小中学校を対象に自転車の整備点検を実施し,その結果が学校長に報告されていると聞いています。 ここで,小中学校での自転車安全整備士による児童・生徒の自転車整備点検結果をどのような方法で保護者に周知しているか,お伺いします。 私も自転車店を経営されている方々とやりとりする中で,自転車安全整備士の資格者が地域で1年間の実施計画を立てて,生徒さんの自転車の点検を実施して,修理が必要な箇所を指摘する自転車点検カードを取りつけているそうですが,修理の改善が見られないとのお話を聞きました。 また,自転車店主は,生徒たちの交通ルールやマナーを守ることが大切であると強調していました。 そこで,自転車の修理とともにTSマーク附帯保険などの損害賠償保険に加入,またマナーを守るチラシが配布できるように,業界団体との協定を推進するなどの取り組みはいかがでしょうか,市民協働部長にお考えをお聞きします。 AED配置について。 第468回3月定例会の代表質問において,AED自動体外式除細動器屋外設置に対しての答弁で,設置場所には,児童・生徒の緊急事態に対応することを想定し,多くの学校では校舎内に設置しているとお聞きしました。 近年は,屋外や体育館などを地域のイベントやスポーツクラブなどが活発に使用しています。いざというときには,校舎のガラスを割りAEDを持ち出すなどとお聞きしていますが,最近は耐震ガラスを使用しているために,割ることもAEDを持ち出すことも容易ではありません。 平成29年9月定例会において,先進自治体である神奈川県大和市における全小中学校28校の校舎内に設置していたAED自動体外式除細動器を,屋外へ移設したことを紹介しました。 また,先日の新聞に岐阜県高山市の公共施設にあるAEDを24時間使用できるように屋外移設するべく,昨年度より3カ年計画で推進され,地域住民の方々も,いつでも緊急事態に対応できるようになって安心だと話している記事がありました。 本市でも,教育委員会は屋外設置の有効性は認識していただき,体育館や屋外で地域住民が使用する場合に対応できるため,2台目のAED配置について,平成27年度から30年度まで教育委員会が予算要望しておりますが,予算の確保がされておりません。 なかなか確保が困難な状況にあると推察しますが,本市でもリースやクラウドファンディングなどの多様な事業手法があり得ると思いますので,維持管理コストも含めて,本市の実情に合う手法を検討し,予算を確保することも可能ではないでしょうか。 このような他の自治体の取り組みについて財務部長はどのようにお考えなのか,お伺いします。 以上,第1問を終わります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきまして,私のほうは先ほどのヘルメットの着用に関する御質問に,お答えを申し上げます。 自転車の安全利用に関する御質問のうち,自転車通勤している市職員や,また学校の先生方のヘルメットの着用に関する御質問がございました。 本年4月の県条例施行後,自転車の乗車時のヘルメットの着用につきましては,子供さんに限らず,徐々にではありますが増加しているものの,まだまだ着用率は高いとは言える状況にはないと考えています。 その要因の一つとして,周りにかぶっている人が少ない現状の中で,大人,子供を問わず,自分だけが浮いてしまう,恥ずかしいという思いから着用をちゅうちょしている方も多いのではないかと思います。 そうした状況を改善し,市民の皆様方が抵抗なくヘルメットを着用していただくためには,御指摘にもありましたとおり,市の職員や子供たちの身近な存在である教職員,そして保護者の方が率先してヘルメットを着用することが有効であると考えます。 高知市では条例の施行に合わせまして,本年4月には,庁議において条例の周知の徹底を行うとともに,全職員に向けて庁内掲示板や庁内の放送,また新規採用職員の研修などの場において,ヘルメットの着用を促しているところでございます。 また,教育委員会では市長事務部局に先駆けまして,本年3月20日には教育長から教育委員会の職員に対し,今回の条例の趣旨や内容を周知し,通勤時において自転車を利用する職員には率先してヘルメットを着用するよう,文書で通知するとともに,直接所属の課長等を通じまして,職員に協力を依頼し,市立学校でもその内容が共有されています。 子供たちへの交通安全の教育は,学校や家庭,また地域といった身近なところで大人の方々が手本となって進めていくことが効果的だと思います。 したがいまして,自転車の安全利用促進の観点からも,市職員やまた教職員の自転車ヘルメットの着用促進の取り組みを今後も継続的に行ってまいりますが,18歳以下のお子様のいる御家庭の保護者の方で自転車通勤をされておられる皆様方にも,ぜひヘルメットの着用をしていただくように,さまざまな場面で,また広報していきたいと考えているところでございます。 その他の御質問につきましては,関連する部局長等からお答え申し上げます。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) AEDの屋外設置に関する御質問をいただきました。 御紹介をいただきました他の自治体の取り組みも含めまして,AEDの屋外設置の有効性は理解をするところでございますが,厳しい財政状況の中で全ての予算要求にお応えすることは困難な状況でございます。 今後,AEDの屋外設置に係る予算につきまして,学校や公共施設を所管する部局からの要求等がございましたら,他自治体の取り組みや設置による効果,また後年度負担も含めた設置コスト,管理上の課題,その財源の確保,またその手法などにつきまして査定の場を通じて協議をしてまいりますが,本年6月11日に公表されました政府の骨太の方針の原案におきましても,国,地方で基調を合わせた歳出改革を積極的に推進するというふうに記載もされており,地方財政の先行きは不透明でありますことから,全体として歳入,歳出の状況に応じた判断となってまいりますことを御理解くださいますよう,お願いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 私からは,親子参加型の交通安全教室と業界団体との協定に関する御質問にお答えをいたします。 昨年9月議会で御提案をいただきました親子参加型交通安全教室につきましては,現在,高知市と地方創生に関する連携協定を締結していただいております,あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の御協力をいただきながら,実施に向けた協議を進めているところでございます。 この教室では,子供たちに自転車に乗るときはヘルメットをかぶる,このことを習慣にしてもらうことを目的として,保護者の皆さんに対して,子供たちにヘルメットを着用させることの意義や事故防止策,また保険加入,自転車の交通マナー,ルールに関する啓発を行い,一緒に参加する子供たちにもタブレットやVR等を用いながら,楽しんで交通安全を学んでもらえる,そのような内容にしたいと考えております。 実施時期や開催場所等については,具体的にはまだ未定でございますけれども,できるだけ多くの親子連れに御参加をいただきますよう,地域主体のイベントとのタイアップや商業施設での開催等を検討しておりまして,関係機関等との調整が整えば,年度内に複数回開催したいと考えているところでございます。 次に,自転車の業界団体との協定に関する御質問ですが,県条例では自転車小売業者は,自転車を販売するときには,自転車の安全利用や自転車損害賠償保険等への加入に関する情報の提供や助言を行うよう努めなければならないとされております。 そのため,業界団体である高知県自転車二輪車商協同組合では,高知県が作成いたしました自転車の安全利用や保険加入の必要性を訴える啓発チラシを販売店に配布し,お客様への情報提供を行っていると伺っております。 また,本市でも現在独自に作成をいたしましたヘルメット着用を促すチラシについて,自転車販売店で配布していただけるよう,組合にお願いしているところでもあります。 本市といたしましては,組合の皆様の御意向もお伺いした上でのことにはなりますが,今後も,例えば本市が開催しております交通安全の各種イベントにおいて,組合として連携した取り組みを行っていただいたり,逆に組合の取り組みに高知市として協力したりと,業界の皆様との協働による取り組みを行っていければと考えております。 したがいまして,そうした取り組みを進める上で,必要であれば御提案のありました協定の締結についても,組合の方と協議をしてまいりたいと,そのように考えております。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
    ◎教育長(山本正篤君) 自転車の安全対策について御質問をいただきましたので,順次お答えをいたします。 まず,自転車用ヘルメット購入助成の申請件数受け付けの状況でございます。 当初予算で確保しておりました1,047件に対しまして,申請受け付け件数は本年4月26日時点で757件,6月3日の段階で966件となりまして,6月19日現在の申請件数は995件となっております。 次に,今回の申請件数の伸びた際の対応についてお答えをいたします。 当該助成事業は,2,000円の助成のうち,市の単独予算が1,000円,高知県からの補助金が1,000円となっております。今回の補正に当たり,県教委と補助金増額について相談をした上で財務部と協議をし,予算議案を提出したものでございます。 再度予算の不足が見込まれました場合につきましても,今回と同様,高知県に対して補助金の増額について相談をし,その結果をもって財務部と補正に向けて協議を行い,必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に,自転車通学を許可する際のヘルメット着用の義務化について御質問がございました。 自転車乗車時にヘルメットを着用することは,安全対策の一つとして有効なことは言うまでもございませんけれども,通学時のヘルメット着用の義務化につきましては,生徒への指導だけではなく,保護者や地域の方々の御理解と御協力が不可欠であると考えております。 直ちに学校として一律に義務づけすることは,対象者全員のヘルメットの購入,そして未着用者への指導方法などを考えますと,難しさを感じるところでございます。 ヘルメット着用が定着していくためには,ヘルメット着用を含め,交通ルールの遵守や自転車乗車時のマナーの向上について,生徒みずからがその必要性を実感し,行動に移せることが何より重要であると考えております。 そして,生徒と保護者がよく話し合い,生徒が納得して自主的に着用するようになることが,通学時を含め生徒の日常生活における自転車乗車時のヘルメット着用が当たり前である状況につながるものと考えます。 このように,生徒のヘルメット着用につきましては,学校の取り組みだけでの改善は難しいことから,さまざまな方々に御協力をいただき,学校,家庭,地域が連携を図りながら,ヘルメット着用率の向上や交通ルールの遵守など,生徒の安全確保につながる取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に,ヘルメット着用率の向上に向けて意見を聞く場についての御質問にお答えをいたします。 教育委員会では,高知市立学校において児童・生徒が登下校時に自転車を使用する際の安全が確保できるように,自転車乗車用ヘルメットの着用を推進するため,登下校時におけるヘルメット着用の推進に関する協議会を設置いたしました。 協議会は,学識経験者,保護者の代表者,地域において交通安全の推進や青少年の健全育成等に取り組む団体の代表者,そして警察,学校関係者,行政関係者等で構成されておりまして,7月には第1回の会合を予定いたしております。 今後,委員の方々から御意見をいただきますとともに,生徒へのアンケート調査も実施をしながら,ヘルメット着用の義務化も含め,ヘルメットの着用促進に向けて,学校や保護者,地域社会,それぞれ何ができるのかを協議し,児童・生徒の安全確保を目指してまいります。 次に,損害賠償保険にPTA予算で団体加入することについての御質問にお答えを申し上げます。 自転車事故に対応できる損害賠償保険につきましては,各学校におきまして,保護者の任意による保険加入として,例年中学校の入学時期に合わせて入学生の保護者を対象に,高知県小中学校PTA連合会のこども総合補償制度を御案内させていただいております。 教育委員会といたしましては,近年の危機管理意識の高まりや,損害賠償求償額の高額化等の社会情勢の変化を鑑み,校長会などを通じてPTA予算を活用し,自転車事故に対応できる損害賠償保険の団体加入を実施している5つの中学校の取り組みを含め,各学校の安全教育や安全管理の取り組みの参考となるような情報発信に努めております。 また,高知市PTA連合会や地域の方々が委員として参加します,先ほど申し上げました,登下校時におけるヘルメット着用の推進に関する協議会におきましても,損害賠償保険について話題にしながら,保険加入に対する啓発を図ってまいります。 最後になりますけれども,小中学校での自転車整備点検結果の保護者への周知方法についてお答えをいたします。 多くの中学校で1学期,小学校では1学期から2学期にかけて交通安全教室が実施をされておりまして,その際にあわせて自転車の整備点検も行われております。 点検は,主に自転車組合の自転車安全整備士の資格を持った方々とともに教職員が行っておりますけれども,いずれの場合におきましても,何らかの整備不良があった場合には,整備の必要な箇所を指摘する点検カードを自転車に取りつけるようにしておりまして,このカードをもって保護者にお知らせいたしますとともに,整備をお願いしているところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 伊藤弘幸議員。 ◆(伊藤弘幸君) どうもありがとうございました。 それでは,第2問をさせていただきます。 自転車の安全だけでなく,防災面も含めて,第2問目として1点お聞きします。 国内では,自転車関係の事故ばかりではありませんが,新学期に入り子供を巻き込む事故が多発しており,胸を痛めております。 ここで新聞記事から,茨城県牛久市での先進事例を紹介させていただきますと,災害や交通事故などの危険から児童の命を守るため,市内在住の全小学生約5,000人に,通学用のヘルメットの無償配付を始めたとのことです。 市立小学校の1年生は入学時に配り終え,それ以外の学年へは先月下旬から順次配付していくとのことで,今後は毎年1年生に配付するそうです。 また,そのヘルメットは機能性や安全性,デザイン性に重点を置いたもので,260グラムの軽量で,児童への負担を軽減,また夏場,熱中症にならないよう,通気性のよいものを選んでいます。 さらに,衝撃吸収性など安全基準をクリアしたSGマークの適合製品を使用し,SGマークの有効期限が切れる3年ごとに対象分を新たなものに交換するそうです。 牛久市が児童に配付をするきっかけは,2018年6月に発生した大阪北部地震で地震によって倒壊したブロック塀の下敷きとなり,通学中の児童が亡くなられた事故からです。 市が危険なブロック塀を調査すると,小中学校の通学路などに180の危険箇所が判明し,しかも危険箇所は全て民有地で,行政が強制撤去を行うことなどが厳しく,改善に一定の時間を要し,それまで生地の薄い帽子で通学することとなるため,万が一に備えた安全対策が急務となり,ヘルメットの無償配付を実施しました。 ヘルメットの着用は,登校・下校時はもとより,自転車利用時も有効とのことで,保護者の母親は,最初はヘルメットの着用に手間取っているようだったが,徐々になれていった。交通ルールを守っていても,事故に巻き込まれてしまう場合もあるため,ヘルメットの配付はありがたいと喜んでいました。 小さなときから通学用ヘルメットなどになれ親しむことで必要性を感じ,心理的な抵抗感がなくなるのではないでしょうか。 先進事例も参考に,ヘルメット購入の助成から進んで高知市立の学校に通う小学生に対して,通学路での安全対策や災害時の防災対策の意味も含めて,自転車ヘルメットを無償配付するなどの取り組みについてどう思うか,教育長にお考えをお伺いします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 自転車の安全対策につきまして第2問をいただきましたので,お答えをいたします。 徒歩通学の児童全員がヘルメットを着用することは,通学時の交通事故への対策はもとより,近い将来,南海トラフ地震の発生が予想される本市におきましては,地震発生時における落下物等から身を守る有効な取り組みになるものと考えます。 牛久市のほうにお伺いをいたしましたら,人口が約8万5,000人,小学生は御紹介をいただきましたように5,000人ということでございました。 本年度からこの取り組みを開始し,本年度中に全児童にヘルメットを配付し,以降,新入生に毎年配付,そして有効期限が3年であることから,4年進級時に2回目を配付するというふうにお聞きをしておりますけれども,中学生に対しましては無償配付はしておらず,中学生がヘルメットを購入する際には,全額保護者負担の購入になるとも伺いました。 牛久市でのヘルメットは入札で購入されているようですが,落札単価をお聞きしますと3,000円ということでございまして,事業費といたしましては,本年度は総額で約1,500万円,そしてその全額が一般財源で措置をされたと伺っております。 仮に牛久市の落札価格を用いまして,高知市の小学生総数1万5,500人に対する必要経費を試算いたしますと,初年度に約4,650万円,その後毎年1年生の無償配付に775万円,そして初回配付のヘルメットの有効期限が切れる4年目には約3,100万円,そして5年目からは1年生と4年生の分として毎年1,550万円を一般財源での予算化が必要となります。 先ほど申し上げましたとおり,南海トラフの地震対策,そして通学時の事故対策として一定の効果は見込まれると考えておりますけれども,補助制度がないことから継続的な財政負担が大きいことや,本市の教育課題といたしましては,新学習要領で定められましたプログラミング的思考に対応するための情報機器の整備でありますとか,耐震補強を優先的に行ったことに伴う学校施設の老朽化の対策がおくれておりますので,早期の対応が必要な箇所もございますことや,中学校給食,そして今年度工事をしておりますけれども,普通教室への空調機器設置に伴う光熱水費の負担増などもございますので,限られた予算の中で本市において直ちに導入することは難しいと考えております。 このために,まず3年間の時限補助であります県のヘルメット購入補助制度を活用しまして,中高生への自転車乗車時のヘルメット着用に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 伊藤弘幸議員。 ◆(伊藤弘幸君) それでは,第3問目を行わせてもらいます。 先ほどの教育長の答弁をお聞きになって,岡崎市長はどうお考えなのか,御所見をお聞かせください。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほどの自転車のヘルメット対策,また小学生に対するヘルメットですけれども,やはりそれぞれの児童に無償配付ということになりますと,先ほど教育長から答弁を申し上げましたとおり,初回でも4,650万円,4年目は3,100万円ということで,相当の予算がかかるということになります。 仮にこれらを先に予算化するということになりますと,例えば教育予算の中でどこかを削らなければいけないという可能性もありますので,まずは協議会において,本年度から立ち上げております中学生,高校生へのヘルメット着用率の向上に向けた協議会におきまして,ヘルメットの着用のさらなる促進を図っていくということが重要ではないかと思います。 また,県のほうは3年間の限定の補助制度ということになっておりますので,この県の3年間の限定期間中の補助制度を生かした上でのヘルメットの着用の向上というところに,重点的に取り組んでいく必要があろうかというふうに思います。 また,教育委員会とはそういう方向で協議をしていきたいと考えております。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田鍋剛君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田鍋剛君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 6月21日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後3時52分延会...